朝のテレビに釘付けになってしまった。
長崎おくにちが今日7日から始まる。
長崎の町が紹介されていく。
蛇踊りに始まり、おくにちのしゃぎりの音が町中に響きわたる三日間。

よく歩き回った町々の名所や食物屋、くい入るように見入る故郷。
確かおくにちの三日間は学校は午前中までだったと思う。
毎年、真新しい臭いのする洋服で、両親と浜の町へ出かけていた。
初秋の風の臭いはおくにちを思い出させる。
お旅所(おたびしょ)での「モッテコーイ、モッテコイ」が耳の奥で聞こえるようだ。

午後のニースは一色、台風18号情報に変わる。

我が家も早目に植木等の警戒準備を終える。
既に、外では相当の暴風のようだ。

室内では、階段吹き抜けの真っ白いレースのカーテンに守られ、
幸せそうなセントポーリアがピンク、パープルとドンドン蕾を増やしている。



遠来のお客を迎えた時のことだ。
森のような小道を誘って玄関へ向かう途中のことだ。
椿の実がさがったのを見られ、「何?」と問われる。
北海道では見ないという。

たわわに活けた「ムラサキシキブ」に感動して下さり、今 北海道の自宅には「ナナカマド」が美しい時だと。
ガーネットのような輝きの「ムラサキシキブ」と、ルビーかサンゴのような「ナナカマド」の色が頭をよぎる。
北海道と九州の色のコラボ協奏曲が始まる。
頂いたお土産の一つに「ほっちゃれ」、北海道の方言で産卵を終えた鮭のこと。
北海道の方言の面白さと子孫繁栄の重責を全うした鮭を象徴。
言葉に代わるメッセージが温かく伝わるようだ。


「南」と「北」の話題は尽きず、先日 大雪山に登ったと言う話題に、「久住山」の名前が噛み合わなかったりする。

北海道の大自然の美しさからは南の方で思う自然の開きは大きいようだ。

それにしても、零下20~30度の生活、豪雪のこと、興味深く楽しい話題が尽きない。

まるで清流に遊んだ後のような、清々しい余韻を残し、空港へと旅立たれた。

SCan“風の旅”-画像0037.jpg



遠来のお客を迎える喜びに心弾む。

こんな時のために有田焼絵師に描いて頂いた「跳び兎」のお茶セット、
急須・湯呑・皿が映える。

古典的伝統の絵柄に跳びはねる兎が金箔で華やかに描かれている。
繊細で細やかな絵は見事である。

作家は既に亡くなられたが、こうして作品が息づいてエネルギーを放つ。

他に壺や大皿も描いて頂いたが、特に大皿はこの世に三枚しかない。
その内の一枚は我が家の床の間から「土と絵」から
醸し出すエネルギーを放っているようだ。
大皿の中心から放射状に竹林が繊細に描かれ雀が飛び交う。

「どこに置くいてますか、よく見るとゼンマイも描いているよ」
と言われてたことが懐かしく思い出される。

きっと作家としては、愛おしい作品の行方が気掛かりだったのだろう。

こんな事件があった。
大好きだった古伊万里かと思うほどびっしりと描かれた傘立てを、
大胆にも玄関に出し、うっかり忘れていたのだが、夜中に盗られていた!

愛おしく作られた作家に申し訳ない気持も加わり、震え上がったものだ。

後々、その件を話すと、「も一度描きましょうか」と案じて下さったか…………
時折、あの美しい傘立てを愛おしく思い出す。