音のアソビ部分」というのは、時々、

私の使う言葉で、私のピアノの先生と

解釈について話し合う時に、たまに登場する。

 

バイクならグリップ、車ならハンドルの

少し自由に動く幅があるけれども、音楽も

1音の音の中に、そういった動かせる幅がある。

 

たとえば、四分音符の1音のリズムは「タン」。

日本語音名で、一音を取る時に、

「ハ・ニ・ホ・・・」とは言いにくいので

「ド・レ・ミ・・」音名を使うことが多い。

 

「タン」とリズムを打つことを理解しながら

「ド」と短い音で発声すれば、

四分音符の長さを均一に保つのが難しくなる。

 

ドイツ音名では、四分音符で一音を取る時に

「C・D・E・・・」と表現するけれども

「ツェー・デー・エー・エフ・・・・」

語尾は延びることが多い。

 

海外でもドレミを使う国はたくさんあるけれど、

Do  Re  Mi 

ドゥー・レィ・ミィー 

語尾を延ばすことが多いと思う

日本語言語が「あ・い・う・え・お」と

1音ずつ切って発音する習慣があるので

日本では音楽も切って考えることが多い。

 

日本語音名とドイツ音名では、同じ四分音符を取るにも

日本語は音が短く、ドイツ音名は音が長くなる。

日本の音楽は一音が短くなりやすく、アソビ幅が少ない。

 

日本人の多くは、幼少から「ドレミ」音名で学ぶし

日本語言語の活舌も、他国と比べて1音ずつが

はっきりしている独特の言語を持つために

音を横につなげる「レガート」の本質を

理解する人も少ない。

 

オケの友人が、

「(日本の)ピアニストは走る人が多いから

指揮者が合わせるのよね」と話していたけど

それは、多分、音の長さが違うからかなと思った。

 

私自身は、ピアノは西洋から入ってきたものと

理解しているので、音楽を考える時は、

海外と同じように1音の音にアソビを持たせて、

1音をアソビ幅を考えて取ることが多い。

(特に、左手側のリズムの音の長さを把握して

 しっかり読んで体に刻んでおくようにしている)

 

日本語の音楽が海外で定着する場合、

たとえば「スキヤキソング」について、

「う~え~を~、む~い~て」と

やっぱり、海外の人達が好むような

英語のスペルが乗せやすいアソビ幅が

あったと思うことがある。

 

昭和歌謡は、わりとそういうアレンジが

されていたような気もする。

次第に音が短くなったのかなぁ・・・

 

楽譜から藤井風さんの『優しさ』をはじめ、

様々な曲の解釈をする時に、私は少し

間延びしたような弾き方をするために

ちょっとニュアンスが変わってしまうらしい。

けれど、それを楽しんでいるところがある。

 

生徒さんの演奏作品以外で、

私自身がYOUTBEにピアノの演奏作品を

色々と投稿していたのは、ずっとそれを

試していたことが大きい。