2011年4月の坂本海岸防潮堤を自然環境活用センター屋上から撮影した写真です。最初のボランティアとしての瓦礫撤去場所は、自然環境活用センター内でした。81軒中80軒を流出して屋根という屋根を失った波伝谷では、ガワの残った活用センターを倉庫として、また会議スペースとして、ボランティア受付として活用するべく、清掃しました。現在は取り壊されて、南三陸海のビジターセンターが建造されました。
2021年完成した坂本海岸の巨大防潮堤とかつての防潮堤。かつての居住エリアは、巨大な防潮堤となりました。新旧防潮堤の狭間に、少しだけ残った防砂地帯。流れ着いた船の辺りが防潮堤の終わり、黒松地帯として再生されました。
新旧防潮堤の狭間を有志が海浜植物再生エリアにしていることは、『痕跡の先に』で触れました。
里山里海とは、人間の生活による中程度の自然環境の撹乱によって生じる生物の多様性の姿です。
放置林より、適度に間伐された森の方が、生物種の多様性が高いことが近年の研究で明らかになって来ました。
多様な草木と鳥獣、虫、微生物が活性化することで、その亡き骸や糞から土壌が作られて、土から生まれる無機物が、水の循環によって、海へとイオン化して辿り着くことで、牡蠣やわかめ等の養殖物の栄養となり、海藻の発育は、多様な魚種の棲家と餌場を生み出します。
森と海は繋がっていて、山を守る人の営みと、海を守る人の営みの調和があってはじめて、生物の多様性が高まり、食の安全も守られます。
自然のコミュニティと人のコミュニティの調和を図る。SC南三陸の目指す姿です。





