たねをまく | SC南三陸のブログ

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南三陸サポーターズ倶楽部
持続可能な社会を目指す生産者と消費者のコミュニティです。

入学式を待たずに桜が満開となった。

たねをまく時期も少しだけ前倒しになり、今年の春は足早にやってきた。


種を蒔かないと芽が出ない。当たり前の営みも、種を蒔き・育て・収穫する生業から、遠く離れた製品だけを売り買いする都市部生活圏にいると忘れがちかもしれない。


ちょこっと農園では、苗を買って植えるのではなく、苗をつくる。

30年も使っている農機具が年に一度の出番に活躍する。

水につけてから外で冷やした種籾をトレイの土にばら撒く。同じ機械でその上の土もかける。

水を掛けると浮いてくる。平なところで作業をしないといけないが、平地の農業とは違い浮いて流れたところに種籾を手で足す。手作業が必要な小規模農業は、種まきも田植えも稲刈りもハセガケも結っこ(相互扶助の共同作業)で手数を増やす。

高齢化してきた農業を、アラフィフの事務局世代が習いながら、中継ぎして、次の世代に繋いでけるかどうか。


国の施策は土地の起伏も国土の状況も天候さえも無視して、“大規模工業化”というひと昔前の感覚から抜けないようだが、世界の潮流は『小規模多面的機能』へ向かっており、治山治水を現場から作っていく。“たねまき”をしていくこの10年の日常が、いずれ芽を出し、皆様のご協力で育てて頂きながら、次世代への収穫サイクルへと持続可能性を高めていけたらと考えています。

日々食べるものを地産地消する。国産自給率を上げる。暮らしを見直す機会は、この10年何度もあったように感じていますが、どのような日常を選択するか、気候変動や災害に備えるのは、暮らし方を見直し、日常を自ら選び作っていく実践にある。胸にカラフルなバッジつけてキャンペーンで終わらせる事では無い。


牡蠣を注文する時期を早めれば、それだけ長く手を掛ける事が出来る。高品質な牡蠣を食べたければ、そのたねをまくことからはじまる。何ヶ月手を掛けたかで、成長は全く違う。SC南三陸というたねをどう育てるか、持続可能性を高める実践をつくる関係性と、製品を売り買いするだけの関係性とはまるで違うものですが、たねをまき・育て・収穫するというサイクルを実感しない生活圏の皆様に、どう伝えていけば良いか?


SC南三陸では、生産者と消費者という関係性から、育てる部分から関わる新たな関係性へと、一歩ずつ歩みを進めていきたいと考えています。


そのために、生産の現場を伝えていく記事を少しずつアップします。