稲扱き(脱穀)のお手伝い。
ハセガケで天日干しした稲穂から籾を外す脱穀を“稲扱き”と呼びます。
『おでって』(お手伝い)『ゆいっこ』と呼ばれる家族・親戚・友人・近所動員での共助(互助)作業です。
一次生産の現場は、人手が必要な場面で“結っこ”という共助・互助活動があります。
田植え・稲刈りハセガケ・稲扱きは、大規模農業ではない小規模農業では、6人ぐらいの共同作業で助け合います。
大規模農業であれば、高価な高性能機械で一人で作業して、稲刈りと脱穀は一度に行い乾燥機で乾燥させることが“効率的な”・大量生産かも知れません。
その場合には、輸送コストや販路など様々なコストカットと効率化で、結局大都市からの物流アクセスの良い同じような地域に大規模農業が集中するでしょう。結果が価格低下として効率化分を消し去る可能性もあるでしょう。大量生産・工業製品化した農業に向かうエリアはどんどん限られていく事でしょう。
小規模農業は、そこで暮らす意思があれば、どこでも出来ます。小規模機械化と共助互助の人の手間によるハイブリッドで、天日干しというワンクッションを置く事で、通好みの旨味の増した美味しいお米を地産地消出来ます。
自然に過負荷を掛けず、希望するエリアでの生活を続けることが出来る。自然と調和する暮らし。3家族1カフェの主食を支えるだけの農業。自給率を上げる事の災害時の強さ。ストックを外部化しない事のリスク管理は、田畑とセットで家がある田舎暮らしの災害時の強みであり、醍醐味です。
天日干し米を作っている無被害エリアの入谷地区では、2011年3月11日の発災直後から、2万個のおにぎりを地区が協力して炊き出しして、被災エリアの翌日からのサポートを自主的に行いました。
停電で家電が使えない中、壊さず残していた土間の釜戸が活躍しました。
写真にある山の麓では、湧き水の水量が増えて、断水したエリアの給水所として機能しました。
町水道の他に、地区の簡易水道があり、災害時にも使えました。
ハセガケ米は、稲藁が出るので、乾燥が必要な為、稲扱きの日時も予定を組むより天候を見て自然に合わせます。出た稲藁は、牛飼いの飼料と寝床と堆肥に変わります。稲藁と堆肥が『やったりとったり』という物々交換経済です。稲藁代は、田畑の堆肥として支払われます。
定量定時出荷の大量生産の工業製品化した農業ではない、津々浦々の暮らしを支える小規模農業の価値について、考えながら、籾袋を積み重ねていました。
大規模農業の実験場と貸した被災エリアの新規農業とのコントラストが、鮮やかな秋晴れの空の下で、生き方暮らし方の違いとして実感出来る瞬間でした。皆さんはサスティナビリティを実感出来ていますか?サスティナビリティって何でしょうね?





