全鼻形成(眉間脂肪注入、プロテーゼ、鼻中隔延長、鼻尖形成、耳介軟骨移植 鼻フル)術後4ヵ月 | 医師の技術教育指導担当 Dr村松@湘南美容クリニック

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湘南美容クリニック新宿本院主任医長兼技術指導医Dr.村松が日々の症例や美容外科に関することを分かりやすく解説します。

本日ご紹介する症例の患者様は鼻筋の高さが欲しい、鼻先が笑った時に広がるのを改善したい、自然な仕上がりを希望、とのご要望でした。

 

 

 

鼻先が笑った時に広がって見える一番の要因は鼻先の立体感の問題です。

 

立体感のあるお鼻の方は笑って鼻が広がっても目立ちませんが、べちゃっと潰れた感のあるお鼻の方は目立ちやすくなります。

 

今回は鼻筋を自然に通しつつ鼻先に若干の立体感を加えるために、全鼻形成(いわゆる鼻フル)を行う必要がありました。(I型プロテーゼ、鼻尖形成、鼻中隔延長、耳介軟骨移植)

 

 

眉間から鼻根にかけての落差が大きく、プロテーゼのみの施術ですと眉間から突然細い鼻筋が出現し不自然になると思われたため、今回は眉間への脂肪注入(コンデンスリッチフェイス法)も行っております。

 

また、鼻唇角部への耳介軟骨移植を併用(猫手術)しました。

 

術前→術後4ヵ月です。

 

 

 

 

客観的にはご要望に近づきつつ自然な仕上がりを実現できたように思います。

 

しかし術後1週間の抜糸の段階で患者様から「元のお鼻に戻したい」との申し出がありました。

 

プロテーゼ挿入を含む全鼻形成(鼻フル)の術後経過ですが、

術後2~3日:腫れのピーク、目元まで腫れることも多い

術後1週:まだまだ腫れが強く、鼻根や鼻先は完成よりも高く太く見える

術後1ヵ月:腫れは80%程度引くが鼻先は非常に硬い

術後3ヵ月:腫れは90%程度引くがまだ鼻先は硬い

術後6ヵ月:腫れは99%以上引く 鼻先もかなり柔らかくなる

 

概ねの完成には半年ほどかかります。

 

術後1週の段階は腫れもまだ強く、完成とは程遠い状態ですので、この段階で患者様が「元に戻したい」と仰る場合は基本的に腫れが引くのをお待ちいただくようお話しさせて頂きます。

 

元に戻す(プロテーゼの抜去、鼻先の移植軟骨等の除去など)ことは決してノーリスクではなく、短期に手術を繰り返したことによる高度の拘縮変形を招くリスクも比較的高いことが理由の一つです。

 

また、腫れが強い状況では患者様ご自身が元に戻すべきか否かの正確な判断が出来ないことも理由の一つです。

 

ある程度腫れが引いてから徐々に新しいご自身のお顔に見慣れていくことになるわけですので、手術自体に問題のない場合は通常6ヵ月はお待ちいただき、それでも修正をご希望される場合には行うこともあります。

 

ただ、経験的には術後早期に何らかの理由で「戻したい」と仰った患者様の多くが、術後3~6ヵ月程度経過したころには修正をご希望されなくなります。

 

やはり見慣れるまでは修正すべきかどうかの判断は待つべきだと考えます。

 

 

今回の患者様は術後4ヵ月の段階では修正すべきかどうかまだ迷っておられるようでした。

 

電子カルテの記録によれば、術後1年経過した頃にカルテの開示請求があったので事務方のほうで患者様に記録等をお渡ししていました。

 

そこから更に1年近く経過した頃にグループ内の別のクリニックにご来院されたときには、まだ修正等は行っておられないようでした。

 

 

本来、修正手術というものは手術内容を最も把握してる執刀医が行うのが最善です。

 

どうしても修正をご希望される場合は、どうかご遠慮なさらずにご相談くださいませ。