【教育用記事】お顔全体のバランスの改善+整鼻術 何を行えば良いか? その3 | 医師の技術教育指導担当 Dr村松@湘南美容クリニック

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湘南美容クリニック新宿本院主任医長兼技術指導医Dr.村松が日々の症例や美容外科に関することを分かりやすく解説します。

前回の記事の続きです。(その1 その2

 

次いで側面像です。

 

側面像で重要なバランスとして、いわゆる『Eライン』というものがあります。

 

エステティックラインの略ですが、「鼻先と顎先を結ぶ線」のことであり、上唇下唇がこのラインよりもやや内側にあることが整容的には望ましい、とされています。

 

今回の症例の方は口元が突出した、いわゆる「上下顎前突」の状態でした。

 

やはりEラインよりも口元が飛び出しています。

 

改善手段としては

1) 口元を引っ込める

2) 顎先を前に出す

 

となりますが、1)の口元を引っ込めるには骨切り手術(いわゆる上下顎セットバック)か歯列矯正となります。

 

なかでも前者は圧倒的に効果的であり、今回の患者様においても本来はそちらを選択するのがベストです。

 

というのも2)の場合、顎先を前に出すことが必要となりますが顎先は前だけに出すことは現実的には難しく(変な形の顎になってしまいます)、どうしても斜め下に伸ばすことになります。

 

こうなると正面像では目から下のボリュームや長さを増やすことになってしまい、前回記事の内容のとおり、それはバランスの観点から言うと好ましいことではありません。

 

今回の方は骨切りは全く考えていないということでしたので、Eラインの改善のためには顎先を出す必要がありました。

 

よって正面像でのバランスが悪くならないよう、目から上のボリュームを出すことを前提として顎先を前に出すこととしました。

 

 

また、Eラインのみならず口元の突出感の改善のためには上顎の突出感を改善させる必要があります。

 

上顎が前突しているということは、鼻と上唇のなす角(鼻柱口唇角)が奥に引っ込んでいるということです。

 

今回は元々お鼻の手術をご希望されていたということもあり、鼻の手術の際についでにこの鼻柱口唇角を起こして上顎の突出感を少しでも改善させることにしました。

 

 

さらにお鼻の手術です。

 

 

鼻先の丸みや小鼻の広がりの解消としてはやはり鼻に立体感を持たせるための鼻中隔延長が最適となります。

 

よって前方延長は行いつつ、正面像ではACR(鼻柱基部と鼻翼基部の位置関係)において鼻柱基部が奥まっていたこと、側面像では鼻尖がやや下向きとなっていたことから、鼻柱基部を尾側に下ろしつつ鼻尖がややアップになるよう計画しました。

 

ちなみに鼻柱基部を尾側に下ろすことは人中の短縮効果を出すこともつながります。

 

上顎前突の方はもれなく人中が長めですので鼻柱基部を下す鼻中隔延長は全体バランスの改善にも有効です。

 

 

しかしここで生じる問題として、これ以上鼻を長くするといわゆる馬面になってしまう、というものがあります。

 

元々額から眉間が平たく彫りが浅いお顔立ちでしたが、こういったお顔立ちの場合は鼻根の一番陥凹した部分(鼻根点、ナジオン)が不明瞭となります。

 

人は鼻の長さを鼻根点から鼻先の長さで認識するため、鼻根点が不明瞭ですと鼻が長く見えがちなのです。

 

よって今回は鼻の手術と同時に行う目の上のボリューム増量手術(コンデンスリッチフェイス法)において、眉間のボリュームもしっかり出して彫りを深くすることで、鼻が長く見えすぎないよう工夫しました。

 

ここまでをまとめますと、側面像における手術計画は下図のようになります。

 

ということで、ようやく答え合わせです。

 

手術内容は

・I型プロテーゼ、鼻中隔延長、鼻尖形成、耳介軟骨移植(含 鼻唇角形成)

・コンデンスリッチフェイス法(額、こめかみ、眉間、目の下~ゴルゴ(中顔面上部)、おとがい(アゴ))

・エラボトックス

 

で行うこととしました。

 

 

術前→術後3ヵ月(エラボトックス後1ヵ月)です。

 

 

 

黄金比成立、とまではさすがにいきませんがお顔の配置のバランスが大きく改善したかと思います。

 

このようにトータルバランスを重視した美容整形は仕上がりも結果として自然なものになりやすく、全体としての美しさをアップさせやすいものとなります。

 

パーツばかりに拘った整形は「木を見て森を見ず」となりやすく、結果としてほとんど美しくなっていないということも多々見受けられます。

 

 

〇〇術に特化した美容外科医、が最近は非常に多く、顧客の側から見てもそれは非常に分かりやすいのでアリと言えばアリなのですが…

 

本当にキレイに美しくなりたいのであれば、トータルバランスを重視し様々な手術に精通した美容外科医に相談するのが良いと思います。

 

 

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〝整形と分からない整形〟をモットーに日々美容医療に取り組んでいます。
新宿本院、大阪梅田院で勤務しております。

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