イナズマイレブンX第5話《2次予選突破に向けて》 | star line ~スターライン~

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試合を終え、インタビューを終えた首脳陣や選手達はミーティングルームへ向かう。アンリは嬉しそうにしていた。絵心が声をかける。


「どうしたのアンリちゃん」



「どうしたもこうしたもありません!潔君や凛君達が活躍したんですよ!?嬉しすぎますよ〜!!」



ホクホクしているアンリに、絵心は呆れながら言葉を投げかける。


「浮かれすぎだ。まだまだ序の口だよアンリちゃん。本人達は全然納得してない」


「そ、そうなんですか……?」


「自分1人のシュートで勝つのがアイツらだ。まだまだ手を抜いてるよ、特にうちのエースはな」




その夜、日本代表の見守るテレビでは今日のW杯アジア2次予選、日本対中国の試合のハイライトをやっていた。試合後のヒーローインタビューを受けた優一。W杯で初ゴールを決め、日本に勢いを与えた。



「俺達は必ず世界一になります!応援よろしくお願いします!」


そして後半から出て2ゴール3アシストの潔と、ロベルト本郷監督のインタビューシーンが流れる。スタジアム裏のインタビューする部屋『ミックスゾーン』でインタビューを受けた凛などの映像も流れる。

「勝利おめでとうございます」

「あぁ」

「2ゴールとも見事なシュートでした。どう言った気持ちで試合に望んだのですか?」




「俺が決める。それだけだ。」

何とも淡々とした受け答えする凛を見て、冴が鼻で笑う。

「なんだあの冷めた回答は」

「お前もだろ」

ヒロトが鋭いツッコミを入れる。エゴが強すぎる潔も凛も「俺が決める」ばかり発言していた。優一は爽やかな受け答えをしていて、SNSではファンが増えていた。


「兄さん、ツイッターで話題になってるぞ。『超新星の天才ストライカー剣城優一、日本に新たな風を起こす。』だってさ」


「ははは。みんながいるから俺がいるんだ。俺は世界一のストライカーになるよ、必ず。みんなと一緒にね」


ニコリと微笑む優一。京介も優しく微笑む。だが、それを聞いていた冴が優一を睨みつける。


「生ぬるいんだよ、優一さん。そんなサッカーがこの先通用すると思ってんのか?」



「あァ?」


兄をバカにされた京介が冴を睨み返す。冴は年上など関係ない。2人に詰め寄った。


「お前らじゃなれねぇよ世界一には。良い年した大人が兄弟でイチャついてんじゃねぇよ気持ち悪ぃ。仲良し絆ごっこやってる甘ったれたサッカーでこの先も勝ち続けられるわけねぇだろブラコン野郎」


「テメェ……!!」


胸ぐらを掴もうとする京介の手を優一が止めた。そして優一は冴の前に立つ。



「俺達は俺達のサッカーをするだけだよ京介。誰に何を言われようと俺達はそうやって戦ってきた。そうして来たから今の俺がここにいる。魅せてあげるよ、冴君。サッカーは11人でやるものだってね」



「やってみろよブラコン」


それを見ていた凛は冷めた表情をしていた。その瞳に映るのは憧れか呆れか。冴には恨みしかない。剣城兄弟にも憤りを感じているのかもしれない。


次の日からも日本代表は練習に励む。次のマレーシア戦に向けて調整している。試合は5日後だ。そんな中、何かを決めた冴は監督のロベルトのところへ直談判しに行っていた。それに気づいた京介も後をつけていた。


「剣城兄弟とは試合に出ないだと?」


「あぁ。それが飲めないなら俺は代表を降りる」


なんと冴は、優一と京介とは試合に出ないと言い出した。それができないなら代表を降りると言うワガママっぷり。ロベルトもコーチ達も顔を見合せていた。冴の言葉を聞いた京介は怒りのあまり、みんなの前へ飛び出した。


「何言ってんだテメェ。調子に乗るな!!」


「なんだ、来ていたのかブラコン。盗み聞きとは良い趣味してるな」


「そんな自分勝手な事が通用すると思ってんのか下まつ毛野郎」


「それは監督が決めることだろ」


冴と京介はロベルトを見つめる。2人は監督の言葉を待っていた。ロベルトは不敵に笑った。


「いいよ冴。君の意見を聞いてあげよう。いいよね?みんなも」


そう言いながらコーチ陣に振り返る。達海も絵心もみんな異論を唱えない。京介は唖然としていた。


「ま、待ってください!そんな勝手認めていいんですか!?」


「勝てるならそれでいい。相性悪い人とプレーして負けたら元も子もないからね。それにサッカーは自由だ。誰とどう戦うのか、それは自由だろう。違うかい?」


言葉を詰まらせる京介。その横を冴は通り過ぎる。すれ違いざまに冴は京介の肩をポンと叩いた。



「仲良し絆ごっこじゃこの先勝てねぇよ。日本を変えるのはエゴイスト……潔世一だ。お前らは失せろ。俺達の邪魔をするな」



「黙れ。俺は仲間に出会えて変われた。天馬に出会えて変われたんだ。俺はお前達のサッカーを認めない。サッカーは11人でやるもんだ」


「違うな。あのメガネも言ってたろ。サッカーは相手より多く点を取るスポーツだ。点を多く取ったやつが1番偉い。お前らが正しいと思うなら潔より多く点を取れブラコン」


「やってやるよ下まつ毛。俺は兄さんと共に世界一になる。お前こそ俺達の邪魔をするな」


2人は睨み合う。冴はその場を後にした。京介はロベルトに頭を下げるとその場を去った。アンリが口を開く。


「潔君が入ってから明らかに流れが変わって、後半だけで6得点。最終的に日本が8-0で勝った。この時点でエゴイストが必要だと分かるはずなんですけどね……。前半は潔君達出てませんし……」


「なら、なぜ流れが日本に来たか分かるかいアンリちゃん?」


メガネをクイッと上げながら絵心がアンリに問う。アンリは言葉を詰まらせた。


「え、えっと……。警戒されてた潔君がシュートを決めたり、アシストしたり見事なゲームメイクをしたから……ですよね?」


「半分正解だ」


そう言いながら絵心は人差し指を立ててアンリの方へ振り返る。


「潔と言うたった1人の男が相手のフォーメーション、戦術、陣形を破壊したんだ。それに伴って潔が警戒されて行き、日本が更に攻撃しやすくなった。潔が取ったあの1点は中国サッカーを破壊する1点だった。分かるかいアンリちゃん」


ロベルト監督を含むコーチ達首脳陣が、みんなが絵心の言葉に耳を傾ける。絵心は怪しく笑みを浮かべる。



「ピンチを切り抜けたセーブやディフェンス。数少ないチャンスを物にしたプレイで流れが来ていると言うだろう。
なぜ、セーブできたのか。なぜシュートを決められたのか。それは1人の選手がフィールド全体を更新する事によって起きる。
『流れ』とは客観的で抽象的な勝利確率だ。プレイするだけで勝利確率を100%にできる力を潔は持ってる。それがブルーロックが生み出した最強のモンスターだ。それに気づいた者だけが言うはずだ。日本サッカーが変わるにはエゴイストが必要だと。剣城京介のように変わる覚悟がない者は何も変えることはできない。」


絵心やアンリは信じていた。変わる覚悟を持っていた。日本サッカーに革命を起こす。アジア予選はその下準備だ。
だがその前に課題は山積みだ。チーム内での意見の別れが大問題だ。潔世一を中心にするサッカーか、11人で力を合わせる絆サッカーか。日本代表の空気はどんどん悪くなっていく。


〜5日後〜
マレーシアとの試合当日、スタメンに冴の名前はなかった。フォワードには剣城優一、剣城京介、吉良ヒロトの名前があった。1節目で使ってなかった選手を大量に使う。



試合は終始日本のペースで進む。優一が今大会2点目のゴールを決める。京介と共に「バイシクルデスソード」を放ち、さらに追加点を上げる。

神童のゲームメイクでマレーシアに自由にプレイをさせない。優一は高いサッカーIQを活かして守備陣を交わして、アシストもしていた。

ヒロトが優一からボールを奪ってシュートを決めるも、優一は怒ってる様子はなく寧ろ一緒に喜んでくれる。

「やりずれぇ〜」

苦笑いのヒロトを見てタツヤは笑っていた。

「優一君はみんなを活かすプレーをして、なおかつチャンスがあれば得点する……。素晴らしいストライカーだね」

後半からは翼と岬や豪炎寺が出場。翼と岬のゴールデンコンビを中心に攻撃を組み立て、さらに得点を奪う。キーパーの若林は無失点で試合を終え、日本は10-0と圧倒的な力を見せつけた。



そして年を跨いで4ヶ月後。シンガポールとの試合では、ブルーロック組と冴と怪我して日本代表から離脱した壁山に代わり追加招集された愛空がスタメンに選ばれていた。



この試合でも翼を中心に攻めていく。冴や蜂楽を起点に潔と凛が躍動していた。守備陣も多義と愛空の指示で統一され、鉄壁を誇っていた。とても久々に集まったとは思えない連携を見せる。

シンガポールは意気消沈。日本の破壊力抜群の攻撃力に為す術なく完膚なきまでに叩きのめされていた。満足に自分達のサッカーをさせてくれない。

後半、潔に代えて日向を投入し、果敢にゴールを狙う。シンガポールは無理やりロングシュートを撃ったりして日本の牙城を崩そうとするも多義が止める。円堂と若林の陰に隠れてはいるが彼もキーパー能力が高い。



「簡単に点はやらないよ。さあ、反撃だ!!」


多義から吹雪へパスが渡り、サイドから凄まじいスピードで駆け上がる。中にいる冴や翼を使って攻め、最後に凛がシュートを決め試合終了。

結果は11-0と完成度の高い日本代表の姿があった。そして全チームそれぞれとの試合を終えた。



中国との2節目は5日後だ。日本代表は調整を続ける。相変わらず剣城兄弟と糸師兄弟は険悪なムードだがどうなるのか。















to be continued


次回予告
アジア2次予選も残り3試合になった。日本は危なげなく2次予選を突破できるか!?
そんな中、韓国との強化試合が行われようとしていた。日本に次いでアジア強豪国の韓国とどんな試合をするのか!?

第6話
激突!日本対韓国!!


これが超次元サッカーだ!!!


〜あとがき〜
どーも沙優羽です!
エゴサッカーと絆サッカーがバチバチで一触即発の雰囲気に。いやー、怖い怖い。
みんな仲良くしてくれ←

そう言えばリアルでの日本代表はW杯のアジア最終予選の抽選が行われましたね!
5大会連続でオーストラリアと同じグループとか仲良しかよ!笑
サウジアラビアもいるのでなかなか厳しい道のりになりそうですが頑張ってほしい!

リアル日本代表も、この日本代表もぜひ応援しましょう!お願いします!!笑
ではアデュー☆