トルコ・シリアで悲惨な大震災が起き、胸のつぶれる思いである。せめて建設中の原発に燃料が装荷されていなくてよかった、この機会に原発建設を諦めてほしいと願う。
10日前、ラジオのニュースが伝えた。「気象庁は、2/1より長周期地震動の予測を緊急地震速報の発表基準に加えた」と。「長周期地震動」とは、周期が長く、ゆっくりした大きな揺れで、14～15階以上の高い建物や免震構造の建物で起きやすいそうだ。
その舌の根も乾かぬうちに続くニュースでは、「渋谷のT急本店を壊し、跡地に165m(36階！）の複合施設をつくる」という。ギョッとした。恐らくその建物は大震災に見舞われ、建物が無事でも停電でエレベーターを初め機能停止に陥り、無事ではなかろうと。どこまでも経済一辺倒。技術の進歩とやらをやみくもに信じ、歴史に学ぶことをしない。
あの一等地、せっかく更地にするなら土を剥き出しにしてほしい。まず避難場所になる。そして、イモでもつくらんかい！（厄介なイノシシもいないし）ソーラー・シェアリングと兼ね合わせると一鳥三石。
いまだ異常な人口を抱え、そのくせ食料自給率が限りなくゼロに近い、地方や他国から札束で収奪している都会中心主義には腹が立つ。
藤田宜弘(東大大学院農学部教授)の『農業消滅 農政の失敗がまねく国家存亡の危機』を読むまでもなく、日本を滅ぼすのは他国ではない。食料危機や原発事故という自滅だ。
戦後の食料難のときには土があった。しかし、こんなコンクリートジャングルでは、いきなり畑はできない。土に返すがよかろう。T急の発足時は「田園」都市株式会社だったのだから。
2023.2．11 （O)