今回鑑賞したのは
史上最低の悪趣味映画として名高いカルト映画
1972年公開作品
『ピンク・フラミンゴ』
公開日:1972年6月21日
上映時間:93分
頭が弱く、卵への異常な執着を見せる母 エディ、
ドを超えた変態不良息子 クラッカー、
他人の性行為を覗きみる趣味を持つ同居人 コットンと
トレーラーハウスに隠れて暮らす
ドラッグクィーン ディヴァインは
ある日、タブロイド紙に「世界で最も下品な人間」と評され有名人に。
しかし、我こそが世界で最も下品な人間であると主張する
マーブル夫婦はそれに嫉妬し、ディヴァインと争いはじめ…
以前からとにかく気になっていたわけですが、
予想通りのゲテモノ中のゲテモノ作品でした。
レビューする上でモラルのない下品な表現が必要不可欠になってしまうため
苦手な方はご遠慮ください。
ディヴァイン一家と彼らに嫉妬したマーブル一家が
「世界で最も下品な人間」の称号を巡って競う本作ですが、
序盤では作りこまれない映像が醸すリアリティ、
ドキュメンタリー性が生々しいゲテモノ感を演出していきます。
キャラクター間のやり取りの一連を引き画で収めながら、
ズームやパンワークでキャラクターを追っていく
映画というよりもホームビデオ映像に近しい本作の映像は
妙に現実色が強い。
口を開けば、たまご、たまご、たまご...
頭の中が『卵畑』な母をベビーベッドに押し込みながら、
皆で仲睦まじく生活しているディヴァイン一家の姿も、
少女を拉致監禁し、強制的に子を孕ませ養子に出すことで
儲けているマーブル一家の姿も、
この映像の質感とホームビデオに近しい撮影によって不気味さが増されています。
鮮明になった今のカメラでこれが映されても、
この異様な雰囲気は出ないでしょうね。
そんな双方の日常生活模様を映し出しながら、
キャラクターを説明し終えた後、
マーブル一家がディヴァイン一家にある贈り物をすることで
「世界で最も下品な人間」の称号を巡ったお下品抗争が開幕するわけですが...
目に見えた下劣、下品さもあれば、常人の理解を超える下品さも見せます。
マーブル一家がディヴァイン一家に「う○こ」を送りつけて
「私たちのほうが下品だ!」と宣戦布告する開戦も低俗なわけですが、
仕返しにマーブル一家に侵入し、
テーブルにソファーに食器に階段の手すりに至るまで、
唾を垂らしながら舐めまわすディヴァインと息子 クラッカーの行動は
もう常人には理解できない下劣さ!
しかも、その最中にディヴァインは息子クラッカーのあれをFし始めるわけですから...
もう映像的なエゲツさ、異常級となっています!
やられたらやり返す!の果て、
ディヴァイン一家はトレーラーハウスを燃やされ、
マーブル一家は監禁していた女の逃亡、種馬役だった男が
アレを切られて殺されるという
下品というよりただの嫌がらせバトルに発展していきます。
一応ネタバレは避けて、その戦いの結末に関しては伏せておきますが、
衝撃的なのがラストカットです!
ディヴァインが道端で今まさに出された犬の糞を食して、満面の笑みでEND!
偽物ではなく、本物の犬の糞を食べているところがえぐい!
もぐもぐしながら、吐き出す感じとかリアルで...これがまた
う○こを叩きつけられ始まった戦いを
う○こを食うことで終わらせる、下品さを証明して見せるラストは
映画的にうまくもあり、なにより下品なものでしたね...
とは言え、ここまでの感じだとそこまで『やばさ』を感じないかと思いますが、
作品にはこの上なくヤバい描写が詰め込まれています。
買った生肉を股に挟んで、味付けするディヴァインに
足を必要に舐め合って愛を確かめるマーブル一家のプレイから
街行く女性に自らのものを見せつける露出狂演出、
人に寄ってたかって体を食らうカニバリズム描写、
先も述べたようなディヴァインが息子の息子をFするといった近親相姦にいたるまで
下品という下品が詰め込まれています。
しかも、それらを映画的に隠すことなく、
堂々となんならアップショットで見せてくるから衝撃的なわけです。
AV監督だったのでこういうのは慣れているほうですが、きついですね(笑)
ここからはそんなヤバいものの中で勝手に
ヤバいシーンTOP3ランキングにしてみましょう!
第3位 「あそこに精●をラブ注入」
「世界で最も下品な人間」の称号を得るため
ディヴァイン一家に挑むマーブル夫婦は
拉致した女性たちを強制的に孕ませ、生まれた子で生計を立てているわけですが、
女性たちを孕ませる役を担っているのが彼らの使用人 チャニングです。
しかし、彼は異常なほど女性嫌いなのでSEX嫌います!
ではどうするのかというと、
彼は1人で行為に及び、出た精●を注射器で注入するわけですよ。
ちょっとだけ『ドント・ブリーズ』(2016)を彷彿してしまいますが、
本作はがっつり、結構なアップショットで局部を見せ行うため
エグさは比べ物になりません。目を細めてしまうことでしょう!
第2位 「ニワトリと楽しく3Pしようぜ!」
マーブル夫婦はディヴァイン一家を探るため女性スパイを用意し、
彼女をディヴァインの息子 クラッカーの元に送るのですが、
クラッカーの小屋で彼女は悲惨なSEXを味わうことになります。
それはニワトリとの3P、言わば獣姦3Pなわけです。
正直、3Pというより強引に体の間に入れてニワトリを挟むという感じなのですが、
使用されているのは正真正銘、本物のニワトリ。
ゆえに、途中から体がおられ、血を流し、死に絶えます。
動物愛護団体から激しい非難を受けたこのシーンは伝説級。
「食用に共するニワトリも自然死ではない」という主張で
ジョン・ウォーターズ監督はそれを跳ねのけるわけですが、
その皮肉も込めて死んだニワトリを調理にもっていくシーンが
再上映の際に追加されています。
エグイを越して病みそうなやばいシーンでした。
そして、正直、直視するのがきつかったのが
第1位 「肛門ダンス」
物語半ばではディヴァインの生誕パーティが開かれます。
まぁ、来る人からプレゼントまで下品なわけですが、
ひと際輝くのが、肛門ダンス。
ちょっとAV用語になってしまうのですが「チングリ体制」で
肛門の口を手も使わずまぁ見事に操るのですが...
口の如く大口を開く様も、閉じたときに内側が出てくる様も
もう下品で、強烈で、気持ちが悪かった。
モザイクとかないですからね!
この映像は死ぬまで忘れられないかもしれません。最悪です。
こんなようにもうゲテモノ中のゲテモノ作品!
その中心にあるのが主人公 ディヴァインの強烈な存在感ですね。
巨漢に派手なメイク。
そのメイクのために剃り上げたとも聞く広いおでこ。
そんなキャラクターデザインも
彼女を演じるディヴァイン(役名と同じ)がいてからこそでしょう。
この上なく下品で、とにかくセクシャルなのに
どこか愛らしく、美しさも覗かせる佇まい。
下品も振り切ると魅力であることを痛感してもしまいました。
やはりスターというものは
一般人からどれだけ離れた素質を持っているかなのでしょうね。
少し長くなってしまいましたが、
世界で一番と称されているだけあって
衝撃的な作品でした。
ただ観ることは決しておすすめしません!