映画超雑レビュー「ワイルド・スピード/スーパーコンボ」69点 キャラ映画としては最高でしょ! | SayGo's 映画レビュー

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勝手に映画鑑賞して
ダラダラとレビューします。

「ワイルド・スピード/スーパーコンボ」
原題 Fast & Furious Presents : Hobbs & Shaw


 公開日 2019年8月2日
上映時間 133分

ーーーーあらすじーーーー
娘と平和な生活を送る元FBI特別捜査官ホブスと
優雅な生活を送る元MI6エージェントのショウの元に
政府から新型ウイルスと共に行方を眩ました
ショウの妹 ハッティの保護要請が舞い込む。
タッグを組むことを拒否するホブスとショウだったが、
ウイルスを追うテロ組織の改造兵士・ブリンクストンの
超人的な力の前に協力をしはじめるのだった。

累計興収5000億円を突破した「ワイルド・スピード」シリーズに登場する
人気キャラクター2人を主役としたスピンフ作品。
野生本能剥き出し男のアクションが炸裂する。


★★ワイスピから完全独立出来るだろうアクション作品★★
回を重ねるごとにアクションも『ありえさな』もインフレ!
毎度エンターテインメントたる娯楽性をスケールアップさせてきた
この『ワイルド・スピード』シリーズはこの上ない祭り映画。風物詩です。
前作を見た後なんて『もう次は宇宙でしょ』と盛り上がってました(笑)

そんなシリーズの最新作はシリーズで高い人気を誇り、
個人的にはアベンジャーズに参加しても違和感なき最強っプリを醸す
ドウェイン・ジョンソン演じるホブスと
ジェイソン・ステイサム演じるショウを主人公としたスピンオフだ。
彼らが本能を爆発させ、まるでターミネーターのような改造人間と戦うとなれば
もう娯楽性は担保されていると言っても過言ではないでしょう。

その期待を全く裏切らない本作でしたが
『面白い』『面白くない』とは別の部分で賛否は分かれる作品でしょう。

というのも、本作はもはやワイルド・スピードではない!
それこそタイトルが『スーパーコンボ』のみでも成立してもしまう。

キャラクター肉体アクションの延長線上、見せ場として
『カーアクション』が盛り込こまれているため、
車でのスカイダイビング、車での氷上潜水艦決戦など
ワイスピらしい『馬鹿馬鹿しさ』や『ありえなさ』が稀薄な印象。
音楽も観光映画感も控えめだ。

初期のワイスピの系譜から完全なまでに脱し、
キャラクターアクションに激走した本作は
正にスピンオフ作品というところだ!


★★スーパード直球な物語!ただ136分は長い!★★
世界を死に至らせる新型ウイルスを巡って
世界を支配しようとする巨大テロ組織と2人の男が戦う!

ここまでなんの捻りもないド直球な物語はなかなかない(笑)
とにかく射程範囲の広い娯楽作品だ。

もちろんのこと、これまでのワイスピシリーズを
見ていることに越したことはないが、
『俺が!』と前へ前へ出て、言動でも表情でも罵り合う
2人の男 ホブスとショウの大人げない凸凹バディは
予備知識なくとも必ず楽しめるもの。

危機的なアクションの最中であっても
本当に下らない騙し合いや、
たっぷりの嫌味と皮肉が言葉のみならず行動でも見せつけ合う
ホブスとショウの掛け合いは糞くだらないからこそ最高!

敵と戦いながら敵には目もくれず、
『俺の方がすごい!』とバディ間でドヤ顔合戦を繰り広げられる本作は
凄まじい安心感! 雑魚は正に雑魚!力の誇示の道具に成り下がってる(笑)

そんな『2人の最強男』のキャラクター魅力を
最大限に、高い純度で楽しませる
80~90年代のアクション映画のような
ド直球この上なきシンプルなストーリーもGoodポイントだが、
『改造人間』という分かりやすく強い
ブリンクストンというヴィランがまたいい!

銃弾を受けても傷ひとつ負わなず、
ホブスとショウを次々に吹っ飛ばすパワーアクション。
相手の動きを数値化し、攻撃を予測する主観描写も相まれば
それこそ『ターミネーター』的な絶対無敵感を放つブリンクストン。

そんな彼が意志を持っているように
シチュエーションに応じて変形する
『トランスフォーマー』さながらのバイクを操るのだから...

ホブスとショウの絶対的な最強性を
分かりやすく、そして、見事に崩す宿敵ブリンクストンの設定は

ホブスとショウは改造人間ブリンクストンから
ウイルスを守り抜き、世界を救うことが出来るのか!?

というヒーロー活劇エンターテインメント性を確実に底上げ増す!

ワイスピということを一旦忘れ、
ジャンル映画としては申し分ないのですが
ひとつ残念なのが136分という長編さだろう。

中だるみこそすることはないが、
捻りもない物語にクライマックス級のアクションが羅列されていかれれば、
喜びながらも多少『まだ、続くのか...』とも思ってしまった(笑)


★★野生種族VSハイテク軍!忘れた頃のワイスピ感★★
もうほぼ、上記でレビューし終えてしまった気もするが、
クライマックス...もうシチュエーションが楽しすぎる。

『民間情報機関まで手中に納めてるのかよ!』という
テロ組織の予想以上のシンジケートぷりには驚かされるが、
ホブスとショウは見事全世界に追われる身となってしまう。
そんな2人はホブスの故郷に行き着き最終決戦の準備を整えるのだが...

ホブスのお母さんに銃器すべて捨てられちゃってる!?

そんなお母さんの見事な平和断捨離のお陰で
ホブスとショウはホブスの家族、仲間と共に
鈍器に近い武器でハイテク軍と戦うことになるのです!
もう最高の縛りゲームだ(笑)

ついに彼らはブリンクストン率いる軍と対峙するのだが、
もうかっこいいのが、決戦前のハカ!(戦いの前の儀式)

筋肉隆々の上裸巨漢軍がハイテク軍を前にしても微動だにせず、
ホブスを演じるドウェインの言葉で自らを鼓舞しはじめれば...///
こんな映画が見たかった!

そして幕を開ける野生種族VSハイテク軍の戦は是非劇場で。

そんなクライマックスでは
ワイスピらしいバカバカしいカーアクションが用意されているのもいい!

クライマックス以外のカーアクションは
今の映画流行に乗っ取るようなスタイリッシュなものだったが、
『車での力業』にでる対ヘリコプター戦に来てやっと
ワイスピらしさを取り戻す。

車での力業ではあるものの、アクションギミックで
『家族の再生』や『家族の絆』と見せているものいいところ。

その果てのホブス&ショウVSブリンクストン!
打撃が届かない改造人間にどう立ち向かうのかと思えば...
数の多い少いを利用しながらの身を犠牲にする戦法(笑)

『勝つ』ことのみを目的とした美学なき戦いの泥臭さ、
筋肉脳らしい戦法が突破口を開く展開はたまらない。

3人の男の『顔面リアクション芸』を
スローモーションで、一枚の画で見せてくれる
男臭さ、ホモホモしさたっぷりな演出もファンには興奮もの。

本作を見てまた夢を見てしまうのが、
ホブスとショウのアベンジャーズ参加!
2人ならサノスにも勝てるんじゃ...無理か(笑)


★★総評★★
ワイスピシリーズではなく、
ワイスピの人気キャラクターが登場する
アクション映画として見たら最高の一作!
捻りもひっくり返しもないが、
『家族ドラマ』を最後に印象づける物語も
ジャンル映画としては最高のバランスだ。

エンドロールでは3度ほどに渡って
おまけシーンが用意されているので
最後まで席を立たないようにご注意を!

★★★★