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天氣後報

東京の隅っこにある小さなカフェ周辺の人・事・モノ

23日の「鉱物の蛍光・発光ワークショップ」では、蛍光のしくみやブラックライトの話、鉱物の蛍光実験などを行います。

これに合わせて、当初は琥珀の蛍光観察用(ワークショップ内ではいろいろな鉱物の蛍光を、長波短波で観察します)に用意してあったものですが、追加入荷ができたので、販売にまわした「ブルーアンバー」。


琥珀は長波で蛍光します。


カフェの「人工琥珀」のワークショップで使っている「松脂」も蛍光します。

ただ、その蛍光はあまりきれいとはいえず(個人的見解ですが)、透明な琥珀もブラックライトをあてると不透明に見えてしまうのです。

ちょっと気味の悪い、白緑色に蛍光します。


そんな中で、ブルーアンバーと呼ばれている琥珀は青色の蛍光を呈します。

不透明に見えてしまうというのは同じですが、ブルーアンバーの青色はそれなりにきれいです。


さらに、ブルーアンバーの蛍光はとても強く、自然光に含まれる紫外線でもわずかですが蛍光を観察できるものもあります。

ドミニカ産のものが有名ですが、今回のものはスマトラ産。



天氣後報-ブルーアンバー/きらら舎


天氣後報-ブルーアンバー/きらら舎

ご購入しやすい小さな欠片もご用意しました。


ネットのお店の名前がきらら舎。

週末(というより土曜日とそのほか日曜日を1回程度)だけ営業しているカフェがcafeSAYA。

友人TOKOさんとのユニットがルーチカ。


・・・・・なんだかいろいろなのですが、今年、ルーチカとして作った『ルーチカ図鑑』は鉱物を取り上げていたため、個人的にきらら舎にて行っていた「鉱物倶楽部」の活動はルーチカの活動といっしょくたになりました。


まあ、鉱物を夏休みの自由研究みたいにとりあげてみている・・・・・・というスタンスは同じです。


ルーチカカフェは年に1回、おそらく毎年12月の第一週末に開催します。

今回はそれに向けて、ルーチカ月間として先週末よりカフェ営業日に、ルーチカ図鑑に掲載した鉱物の展示や実験を行っています。


今週末23日は「蛍光する鉱物」を取り上げ、ウェルネル石や蛍石、ハックマン石などを展示販売します。

また、最終の回に「鉱物の蛍光・発光ワークショップ」を予定しています。


そもそも蛍光って何?

蛍光する鉱物ってどんなのがある??

どんな色に蛍光する???


・・・なんてことをゆるゆるとお話しして、いくつかの鉱物の蛍光を観察して、実験をします。


蛍光についてのさらに詳しいワークショップは、蛍光物質を使った「蛍光ワークショップ」なども行っていますが、今回は、鉱物に限定しています。


蛍石の名前の由来は「蛍のように光るから」ということは結構有名ですが、蛍石がブラックライトで蛍光するからだと思っている場合が多いようです。実際には、蛍石は強く熱すると蛍光するので、螢石と名付けられました。

そんな螢石の熱蛍光(サーモルミネッセンス)現象を観察します。


そのほか、氷晶石と火打石の発光実験をしたり、

蛍光鉱物にまつわるエピソードなどをお話ししながら、いろいろな鉱物の蛍光を観察します。


http://www.cafesaya.net/cafeguide/saturday


天氣後報-アダム鉱/きらら舎

アダム鉱




天氣後報-石膏/きらら舎

石膏




天氣後報-透石膏/きらら舎

透石膏(砂時計構造)


きらら舎で扱っている蛍光石。

光を貯めて暗い処で光る石ですが、ピンポイントのブラックライトを一点照射すると、そこだけ光を宿したようになります。

先週は、この蛍光石とそれを粉砕して細かくした蛍光石細粒のバリエーションを増やしました。

まずは蛍光石細粒。



天氣後報-蛍光石細粒/きらら舎

新しく加わったのは右から2番目のタンジェリングリーン。

すべて蛍光石を細かくしたものなので、蛍光石と同じ色名をつけています。

ただし、岩絵の具が粒子の細かいものほど白いのと同じように、粒が細かくなるとどうしても白っぽくなり、色の差がわかりづらくなります。



天氣後報-蛍光石細粒/きらら舎

明るい処から、室内の少しだけ暗い処に移すと、若干蓄光色が加わるので、色の違いがよくわかります。



天氣後報-蛍光石細粒/きらら舎

これが新しく加わった・・・・といっても蛍光石としてはすでに販売していましたが・・・タンジェリングリーン。

名前は前半がもとの石の色で後半が蓄光色です。

タンジェリンのような蜜柑色をした石はグリーンの蓄光ですという意味です。


その他の色とくらべてみると・・・



天氣後報-蛍光石細粒/きらら舎

アイスブルー。

もとの石は白っぽく、蓄光がブルーです。

蓄光色にはもともとと石の色味も多少加わるため、青はより冷たいブルーになります。

ただし、このブルーは他の顔料とくらべて輝度が若干低いので、少し暗いです。


蛍光石は、不飽和ポリエステルに蓄光顔料を入れフィラーを加え板状にした素材を粉砕し石のようにしたものです。
この顔料が「蛍光砂」として販売しているものです。



天氣後報-蛍光石細粒/きらら舎

同じブルー蓄光でも、こちらはもともとの石の色がミント色の「ミントブルー」。

蓄光色が少しだけ緑がかっています。



天氣後報-蛍光石細粒/きらら舎

そして、これがマスカットグリーン。

もともとの色がマスカット色で蓄光色もグリーンです。


すべて蓄光色を並べてみるとこんな感じ。


天氣後報-蛍光石細粒/きらら舎




天氣後報-蛍光石細粒/きらら舎


天氣後報-蛍光石細粒/きらら舎

試験管入も。




天氣後報-蛍光石細粒/きらら舎


天氣後報

それぞれにクラウンをオプションで付けられます。

海月グローブ。

デザフェス用に作った海月グローブ。


あたふたとセットしたため、当日、巻貝から空気が出ちゃってほぼ販売できずに持ち帰ったものです。


海月のかさのカーブとグローブ(球形ドーム)のカーブが合って、グローブの真ん中、天辺で海月が直立できるのですが、大きな気泡が空気の強い浮力で天辺にいるので、海月クンはそれに押されてぐったりしてしまったのです。

今回は気泡を抜いて、水を入れ替えました。


きらら舎分は、店頭分も残しての3つ販売です。


A


天氣後報-海月グローブ2013 November



天氣後報-海月グローブ2013 November

でっかい海月入り。



B


天氣後報-海月グローブ2013 November


天氣後報-海月グローブ2013 November

Aよりは小さい海月。琉球硝子もAより薄めな水色。



C


天氣後報-海月グローブ2013 November


天氣後報-海月グローブ2013 November

赤い琉球グラス。

赤い琉球グラスにはときどき蛍光する欠片も混ざっています。


黒いカスみたいなものは、蝙蝠の形をしています。






12月7日と8日がルーチカカフェ『ルーチカ博物学 鉱物』です。

今年2冊発行したルーチカ図鑑のイベントで、掲載した鉱物の展示販売や、ラベル、標本箱の販売、コラムに登場するクランツ標本の展示、掲載した実験などを行います。


ただし、2冊に掲載した標本や実験をすべて2日間に収めるのが難しいため、その前の月光カフェ(イベントのない通常営業日)3回(3週)をルーチカ月間としました。


初日の明日は、氷晶石の展示と販売、また、雲母の燃焼実験を行います。


氷晶石はグリーンランドのArasukフィヨルドのIvigtutという場所で発見され、地球上で、ほぼここだけで採れる鉱物です。発見された時は「解けない氷の層」と思われていたほど、氷にそっくりな鉱物で、実際に屈折率も水とほぼ同じです。

明日は水に浸した氷晶石も展示しています。


氷晶石は熱すると発光します。

それで、最初はその実験も行おうと思ったのですが、暗くないと発光がよくわからないため、明日は雲母の燃焼実験だけを行うことにしました。


雲母(蛭石)は、ご希望があれば燃やすことができます。

燃え残りも銀色で、小さな龍みたいできれいなので、それでオブジェを作ることもできます。


氷晶石の燃焼実験は来週2週目23日の、螢石の燃焼実験と一緒に行うことにしました。


氷晶石の発光はピンク色できれいです。



天氣後報-氷晶石/きらら舎

ピンボケですみません(-_-)