
何かわかりますか?
これは植物の種です。
空を飛びます。
アジア原産。ウリ科のアルソミトラ・マクロカルパという植物です。
蔓を巨木にからませて地上数十メートルの高さに、RPGやアニメに登場するような兵士の帽子に似た小玉西瓜くらいの実をつけます。
中には種が4~500個入っていて、実が熟し、乾燥するとパカッと割れて、中から種たちが落ちてきます。この種は写真のように、薄く金色に透き通った翼を持ち、滑空して遠くまで飛散します。
その形や飛ぶ様はハングライダーそっくりで、実際にハングライダーはこの翼実の形をもとに作られたといわれています。
種を入手したら、さっそく飛ばしてみたくなり、机の上に乗って種を飛ばしてみました。
しかし、輸入段階で乾燥され、発芽しないようにされているため、翼がもろすぎてうまくとびません。たまに傷のないものが予想を超えて部屋の済みまで滑空しましたが、家具にぶつかって、翼が折れてしまいました。
そこで模型を作って飛ばしてみました。
ジャングルではきっとあまり強い風は吹かないのでしょう。
風の強い屋外より、無風の室内のほうが飛行距離が伸びました。
できるだけ高く持ち、そのまま手を離すと、まるで何者かがリモコン操作しているかのようにスイーと空中を滑走します。
貝殻や鉱石も芸術的ですが、種だって負けていないという、お話。