ペトロダラーの終焉 | 狭山与太郎のどですかでん

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先日スイスで開催されたゼレンスキー大統領主催のウクライナ問題に関する「平和会議」は、ジョー・バイデン米大統領、中国の習近平国家主席、ブラジルのルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領、南アフリカのシリル・ラマポーザ大統領、インドのナレンドラ・モディ首相など、主要国や高官のほとんどが欠席し、ゼレンスキーの思惑が外れてしまいました。

日曜日の会談の結果に関する共同宣言に出席した91カ国のうち79カ国が署名しましたが、アルメニア、バーレーン、ブラジル、バチカン、インド、インドネシア、リビア、メキシコ、サウジアラビア、南アフリカ、タイ、アラブ首長国連邦国連や欧州安全保障協力機構(OSCE)を含む4つの組織も署名ませんでした。

そもそも一方の紛争当事者であるロシアが招待もされず参加しない平和会談って何か意味があるのでしょうか?

どこかの国の誰かにやれと命令されただけなんでしょうけど…

 

日本はこの会議の模様をG7とゴッチャにして報じていました。

まるでウクライナがG7に加わったのではないかと錯覚してしまうような報じ方です。

あまり報じても意味のないニュースの陰で実は重要なのに殆ど報じられないニュースがあります。

その一つはこの6月9日でサウジアラビアの石油を米ドルで独占的に販売するという米国とサウジアラビア間の協定が終了したことです。

サウジアラビアがBISと中国主導の中央銀行デジタル通貨プロジェクトに参加 |ロイター (reuters.com)

丁度50年前の1974年6月に米国とサウジアラビアとの間で密約が交わされました。

1.サウジアラビアは米国へ石油をドル建てで安定的に供給する。

2.石油輸出によって得たドルをサウジは西側の銀行へ預ける。

3.その見返りとして、米国は外国の脅威からサウジアラビアを守る。

また、米国はサウジアラビアに兵器を売却するとともに軍隊を訓練する。

米国が石油を購入することによってドルが海外に流出し、ドル供給が増えることによってドルの価値は低下します。

しかし、サウジアラビアが入手したドルをドル預金し、さらに米国債などのドル建て金融資産へ投資すればドルは米国へと還流します。

言い換えるとドル需要は増加するわけです。

これが、いわゆる「ペトロダラー」でドル基軸体制を維持するためのエンジンとして機能していました。

ところがその後米国はシェールオイルによって石油の輸入国から輸出国へと転じ、サウジとの貿易量はこの50年の間に激減しています。

 

 

それと共にサウジの貿易相手国は中国へと変わっています。

要するにペトロダラーがペトロ元に代わっているのです。

サウジが米国から輸入するものは兵器くらいしかありませんでしたが、中国相手となれば買うものはいくらでもあります。

性能はどうかわかりませんが兵器だってあります。

 

 

米国は世界最大の債務国で現在負債は34兆ドルにもなっています。

にも拘らず米国が破綻せずこの負債を支えていられるのはドルという紙切れを発行している米国政府に対する信用があるからです。

即ち借金を担保しているものと言えば、アメリカはこれからも世界一の経済及び軍事大国であり続けるであろうという幻想と期待があるからに過ぎません。

ということはこの信用が崩れればドルは単なる紙切れになってしまうわけです。

アメリカへの信頼は度重なる侵略戦争の失敗や最近ではイスラエルやウクライナへの過剰な肩入れによって揺らぎつつあります。

かと言って中国がアメリカにとって代わるほどの信用が得られるかと言えばこれもかなり怪しい。

いずれにしてもドルに代わる決済システムが確立されるまでの話なのでしょう。

先日のG7で凍結したロシアの資産の利子をウクライナ復興資金にするなんてことが決まりましたが、ロシアは当然報復措置をとるでしょうからEUは自分の首を絞めることになりかねません。

モスクワ取引所でドルとユーロの取引停止、米の対ロ追加制裁受け | ロイター (reuters.com)

これまた日本では殆ど報じられていません。

 

評論家の寺島実郎はロシアがウクライナに侵攻して以来ロシア経済が破綻すると言い続けていますが、IMFと世界銀行の試算では今年中に購買力平価ベースで日本はロシアに抜かれて5位に転落するとのことです。

GDPの |2024年 |PPPの |データ |世界経済学 (worldeconomics.com)

この表を見ると近いうちにインドネシアにも抜かれそうです。