日本より深刻な韓国の少子化 | 狭山与太郎のどですかでん

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先日東京都の合計特殊出生率が遂に1.0を切り0.99になったという衝撃的なニュースが伝えられました。

東京の合計特殊出生率0.99に、初の1未満 都「重く受け止める」 [東京都]:朝日新聞デジタル (asahi.com)

日本は相変わらず少子化に歯止めがかかりませんが、お隣の国 韓国では日本よりももっと深刻な少子化が進行しています。

現在韓国の合計特殊出生率は0.72で、首都ソウルは何と0.55です。

因みに1980年の韓国の合計特殊出生率は2.8でしたが徐々に下がり2015年を境に急激に下がり続けています。

日本の出生数はこの40年間で約半数に減少していますが、同じ期間で韓国では四分の1となっています。

日本での少子化の原因は非正規雇用者が増え低賃金のため結婚を諦めたり、正規雇用であっても実質賃金が下がり続け「子育てや教育にお金がかかりすぎる」など経済的な理由によるものとされていますが韓国の事情はちょっと違うようです。

岩波の雑誌「世界」6月号に「韓国の少子化はなぜ加速するのか」という茨城大学の笹野美佐江氏の記事が掲載されています。

 

韓国では日本と同じように女性は家事や育児で家庭に収まり、男性が社会に出て働くというのが一般的でした。

ところが最近女性の社会参加が急速に進み雇用率が大幅に上昇しました。

これと歩調を合わせるように韓国では婚姻件数が減少し、2015年から2023年の間に婚姻数が約3分の2に減っています。

2000年代に起きた最も大きな変化は女性の教育水準の爆発的上昇、即ち高学歴化とそれに伴う女性の社会進出でした。

この結果として家庭での女性の役割分担の意識改革が急速に進み、女性は家庭を守り、育児は女性がするべきだという今までの概念に反対する若い女性が8割を超えるようになりました。

これと同時に女性の結婚観も変わり、結婚しない方がいいという女性が2割を占め、「結婚すべきだ」と答えた女性は5%にも満たず、先進国中では最も少ない結果となっています。

そうして たとえ結婚しても「子供は要らない」という女性が4割近くを占めています。

「人生において優先したいものは何か」という質問に対し、他国では「家庭」を第一に挙げる人が多いのに比べ韓国では「家庭」を選択しない女性が多く「仕事」や「地域社会」「個人」を選ぶ女性が多い結果となっています。

このように韓国では女性の高学歴化に伴い家庭や家族に対する価値観に急激な変化が起きているようです。

この結果が「少子化」という現象に現れていると結論付けられています。

あまりの急激な変化によって変化の遅い他の世代や男性との間で大きな摩擦や葛藤が生じているとも言います。

 

少子化を何とか食い止めようと韓国政府は多額の予算を投入して様々な手を打ってきましたが功を奏してはいません。

日本と同じように政策が子育て世帯の支援に偏っていたからだとも言われています。

家庭の在り方や男女の役割分担など環境や意識が急速に変化しているのにその変化を掴み切れないのはどこの国の政府も同じ。

 

最新のジェンダーギャップ指数ランキングによれば韓国は94位、日本は118位です。

中国も106位で低迷しており、いずれの国も同じように少子化が問題となっています。

【ジェンダーギャップ指数】日本、2024年は世界118位で低迷続く 政治・経済に課題:朝日新聞SDGs ACTION! (asahi.com)

 

若い女性が結婚することも結婚しても子供を欲しがらない背景には、これらの国が経済的には先進国の仲間入りをしても男尊女卑の社会から一向に脱却できていないというのも大きな理由の一つなのではないでしょうか?

日本で言えば最近の若い人たちは多少変化したとはいえ、あまりにも家庭での女性に対する役割分担が大きすぎて、女性の社会進出を妨げそれがますます女性の地位向上の阻害要因となるという負のスパイラルに陥っており、男性優位社会を変えることができません。

女性自体の意識改革も韓国のように進んでいるようには見えませんが、着実に進んでいることは確実で社会の体制がそれに適応できていないので韓国のように急激ではありませんが少子化に歯止めが効きません。

おそらく国会議員や閣僚の数の半数が女性という時代が来るまでこのままずるずると少子化が進むのでしょう。

それが10年先なのか100年先なのかわかりませんが、現在の状態を見ていると永久にその時代はやってきそうにありません。

偉そうなことを書いている自分自身いまだにカミさんに頼り切ってる状態で、周りを見ればまだマシかなって感じるくらいですからね。

現在の政府のように人口減少即ち労働人口の減少と捉えて海外からその分労働者を集めればいいという発想ではいずれ国家は消滅してしまうのではないでしょうか。