ガザでのイスラエル軍によるパレスチナ人の大量殺戮は未だに続いていますが、先日のTBSサンデーモーニングでは元朝日新聞記者 古田大輔氏が、最近の日本ではガザに関するgoogle検索は殆どゼロになったことを伝えていました。
確かにテレビのニュースなどでもガザ関連のニュースは殆ど報じられなくなりました。
所詮は対岸の火事どころかはるかかなた地球の裏側の地の出来事だからなのでしょうか。
今朝の東京新聞の一面には「大谷劇場幕開け」という記事が掲載されていますがガザに関しての記事は4面にイスラエル軍がガザの病院を再襲撃したという記事があるのみです。
ハマスの戦闘員が90名殺害されたことが書かれていますが、これとて本当にハマスの戦闘員なのかどうかはわかりません。
どうせイスラエル発の情報なのでしょう。
今や毎日発表されるガザの死者数はニュース的価値としてはコロナの感染者数と同じまたはそれ以下の統計的数値でしかありません。
今まで3万数千人が殺害されたとのことですが実際にはもうすでに10万人以上が犠牲になっているとも言われています。
確かにあの破壊のされ方で3万人の犠牲者というのはあまりにも少ない。
その多くは瓦礫に埋もれたままです。
犠牲者のうちの4割は子供であり7割は子供と女性です。
2019年から2022年までにガザ地区で殺された子どもの数は、それ以外の地区の世界中の子どもたちの戦争による死者数総計よりも多くなっています。
なぜそんなに女性と子供が多いかと言えばイスラエル軍が狙い撃ちしているからです。
この事実を考えただけでもイスラエルの狙いはハマスではなくてパレスチナ人を絶滅させること即ちジェノサイドであることは明確です。
これも何度も聞かされるとそれが当たり前のように感じられてしまう。
日本国民にとってはガザで起きている事よりも大谷翔平の活躍や奥さんの事、通訳のギャンブルの事の方がよっぽど関心があるのです。
どんなにショッキングな事でもそれが日常的に続くと感覚が次第にマヒしてしまう。
能登が被災して復旧が一向に進まなくても、福島の原発事故で未だに3万人の避難者が居て、燃料デブリの取り出しも全く計画通りに進んでいなくとも、沖縄の基地問題も所詮は他人事。
国民の圧倒的多数にとってはテレビのニュースのネタでしかない。
実際に被害に遭っている人と、それをテレビや新聞のニュースで知るだけの人とは天と地以上の差があるのです。
しかもそれが今度はいつわが身に襲い掛かり自分が被害者の側になるかもしれないということには思い至りません。
ましてやウクライナやガザで起きていることなど大半の人にとってはカンケーネーというのが現実で、こんなことを書いてる自分もその中の一人に過ぎず、かといって何かするわけでもなく、何かできるわけでもなく、何とも言えない無力感と絶望感と自己嫌悪感に襲われる毎日なのです。
イスラエル建国によってその地に住んでいた多くのパレスチナ人が故郷を追われ難民となりました。
シオニストたちは約80万人のパレスチナ人を先住の地から追放し、531の村々を破壊し、11の都市を無人化し虐殺やレイプのかぎりを尽くしたのです。
これをパレスチナ人たちはアラビア語で「ナクバ」と言い、これはヘブライ語ではホロコーストを意味する「ショア―」。
パレスチナ住民を虐殺しジェノサイドを行なっているという批判に対し、イスラエルのある閣僚は3000年前のダビデ王国の話を持ち出し、「3000年前にはこの地にパレスチナ人などいなかった。ここにはもともとユダヤ人が住んでいてユダヤの土地だった」なんて滅茶苦茶なことを言って自分たちの行為を正当化しているのです。
そんな3000年も前の話を持ち出したら現在のアメリカなんて存在すること自体がおかしいという話になってしまう。
カナダや中南米、南米諸国だって先住民以外はみんな侵略者で殺しても構わないということだ。
北海道だってアイヌとギリアークしか住んでいなかった。
しかし、こんな論理が罷り通るというのが現在のイスラエルという国なのです。
2024年1月 イスラエルのテルアビブ大学の世論調査結果によれば(岩波「世界」3月号より)
ガザでのイスラエル軍の武力行使について
ユダヤ系イスラエル人の90.8%が「適切」
43.4%が「不十分」
「過剰」はわずか4.3%。
「パレスチナ側の死傷者数」についてユダヤ系市民の66.1%が「完全に正当」、23.1%が「どちらかと言えば正当」
合わせて約87%が「正当」と回答しています。
これではいくら世界中がイスラエルの行為を批判しようとも、イスラエル国民の判断と行動に期待することは不可能です。
アメリカが支援し続ける限り今世紀最大の汚点となるイスラエルによる残虐行為は止まることがありません。