先日、アメリカの元FOXテレビの人気司会者タッカー・カールソンがロシアのプーチン大統領にインタビューしたことをお伝えしましたが、このインタビューが予想以上に世界的な反響を呼んでいるようです。
木曜日(2月8日)の夜にカールソンが投稿したインタビュー動画はすでに全世界で10億回以上X(旧ツイッター)だけで1億8000万回再生されています。
日本はいつものように全くニュースでは伝えられませんが、昨夜のbsTBSの「報道1930」で辛うじて扱ってはいますが相変わらずPutinとトランプを悪者扱いしていることに変化はありません。
“もしトラ”でウクライナも準備か プーチン大統領とトランプ氏 水面下で連携?【2月12日(月) #報道1930】 (youtube.com)
一般のアメリカ国民にしてもPutinが言うように国内で大きな問題をたくさん抱えていながら何で何千キロも離れた遠い国にそんなにお金を使わなくちゃいけないんだと感じている人はたくさんいるでしょう。
ヴェトナムだってイラクだってアフガニスタンだって同じ。
しかも、イスラエルのガザ市民に対する大量殺戮を支援している一方でウクライナ市民を守るためだとか民主主義を守るためだとかという詭弁は通用しません。
カールソンはインタビューを終えPutin及びインタビューへの印象について下記のように述べています。
プーチンが「西側の拒絶によって非常に傷つき怒っている」という印象を受けた。
察するに、多くのロシア人と同じように彼もまた冷戦の終焉はロシアがヨーロッパに招き入れられるようなもの、あるいは、アジアの半分を占めるヨーロッパの国なので、ヨーロッパへのご招待のようなものになるであろうと予想していたのだと思う。
ここロシアにはヨーロッパ的なものはたくさんある。モスクワに来てみれば、それはとてもヨーロッパ的な街であるし、物事を見て、文化的に感じることができる。けれども、西側諸国はロシアを拒絶した」
「西側諸国はロシアと同盟を結ばないと固く決意していた。それは極めて明白であった。NATOの要点はロシアを封じ込めることにあったと私は思う。そして、プーチンはこれに傷つき、これに非常に腹を立てている。
「私たちふたりがそのことについて話していた時、彼の目は輝いていた」と付け加えた。
カールソンは、プーチンとのインタビューは「部族から国家へとロシアが形成された9世紀にまで遡る非常に詳細な歴史と、その中でウクライナが果たした役割は実に興味深い」とし、「それはPutinがこの地域についてどのように考えているかを知る窓である」と述べました。
また、カールソンはロシアは「米国務省を動かしている嘘つきやイデオロギー信奉者らのすべてが提示しているような拡張主義大国ではない」と述べ、ロシアは「既に大きすぎる」し、人口はわずか1億5000万人が「世界でも最大の大陸国家」で暮らしている国家なので、拡張主義大国と考えるのは愚か者である。ロシア人は「安全な国境を望んでいるだけだ」と付け加えました。
「ワシントンのプロの嘘つき連中はこの地域について、あるいは、ニューヨークを越えた世界について本当に何も知らない」と主張し、「プーチンが犯した多くの過ちが何であろうとも・・・ロシアは拡張主義的な大国ではない」と述べました。
ロシアには隠された計略はないし知っておかなければならない秘密のコードもない。
何がロシアを動かしているのかを理解するためにはロシアを知らなければならない。
ロシアの大統領の決断の背後にある考え方やロシアの背後にある動機を理解することが必要だ。
ロシア・ウクライナ戦争を解決したいならば、「ロシアを知ればいいだけだ」と述べています。
この一言にすべてが集約されています。
つまり、米国政府やその方面の専門家たち、ならびに一般大衆がいかにロシアに対し無知であるか、そして、いかに(知ることに対し)怠惰であるか。
と述べています。
そういった傾向は米国だけに限られるものではありません。
好むと好まざるとにかかわらず、日本についても、ヨーロッパについてもまったく同じことが言えるのではないでしょうか。
元国際連合大量破壊兵器廃棄特別委員会(UNSCOM)主任査察官で評論家のスコット・リッターはこのインタビューについて
「プーチンはロシアの歴史を熟知している。彼はロシアの魂を知っており、このインタビューを視聴すれば、これはロシア大統領が米国の聴衆に向かってロシアの歴史のニュアンスをロシアの魂の複雑さに至るまで紹介している」
と述べています。