イスラエルはハマスの攻撃に対して「自衛権」を行使し大規模な報復殺戮を続けています。
約一か月ほど前国連安全保障理事会では人道支援のための戦闘の一時的な停止などを求める決議案の採決が行われ、15か国のうち日本を含む12か国が賛成しましたが、アメリカは、イスラエルの「自衛権」に言及がないと拒否権を行使して否決されました。
一方、ウクライナのゼレンスキー大統領はイスラエルについて、議論の余地のない「自衛権」があると述べた事がニュースで伝えられています。
ゼレンスキー氏「イスラエルの自衛権に議論の余地なし」 写真2枚 国際ニュース:AFPBB News
現在ウクライナが置かれている立場から考えるとガザを支持すべきなのにイスラエルを支持しているのは欧米からの支援を期待しているからなのでしょう。
もし、彼がユダヤ人だからという理由であったとしても全く教条的な彼の姿勢にはうんざりしているのは私だけではないでしょう。
要するに彼は芸人であって政治家ではないんです。
米英に操られるがままに猿回しの猿を演じていただけ。
なにしろTIME氏は昨年彼を「今年の人」に選んでおきながら最近号ではこれですからね。
Volodymyr Zelensky’s Struggle to Keep Ukraine in the Fight | TIME
イスラエルは「自衛権」を盾にやりたい放題のことをしているわけですが、「国際司法裁判所の法学には、「軍事占領の文脈において自衛権は適用できない」と国連人権理事会の専門家フランチェスカ・アルバネーゼ氏は言います。
つまりこの件で言えばイスラエルは他国の人々を占領下に置いているため自衛権を持たないということになります」
フランクリー・スピーキング: イスラエルに自衛権はあるのか?|ARAB NEWS
つまり、イスラエルによるガザ地区への攻撃は、「軍事占領という文脈において自衛を適用することはできない」ため法的実体がありません。
つまり、彼女によればイスラエルは占領国であるため同国が主張しているガザ地区における自衛権はないとのことです。
そう言えば先日ニュースか何かでロシアの国連大使だったかラブロフ外相だったか忘れましたが イスラエルに「自衛権」はないと言っていたのを思い出しました。
こうした事情があってか最近は全くこの「自衛権」という文言が姿を消しています。
フランチェスカ・アルバネーゼ氏はインタビューでそもそも自衛権が存在したとしても国連憲章51条の下でイスラエルが行使した自衛権は非常に明確なものですと説明しています。
そして攻撃を撃退するために必要とされる行動は、相手の攻撃の強度と規模に基づくものでなければなりません。
そしてそれは、比例的なものでなければならないのです。
と彼女は主張します。
現在のイスラエルの10倍返し殺戮は果たして「自衛」と言えるでしょうか?
もし「自衛」というのであれば「イスラエルは24、ないし30時間で自国の領土のコントロールを取り戻したのですからその時点で、自国領土の「自衛権」は失われたことになります」
但し、その場合でも占領国ではないことが条件となります。
要するにイスラエルは元々占領国家なので被占領国に対する「自衛権」は存在しないというわけです。
さすがにここでは述べられていませんが、むしろハマスの攻撃はイスラエルを追い出すため「自衛権」を行使したに過ぎないということになります。
なるほど言われてみればその通りでこんな明確なことが全く議論されていないというのもおかしな話です。
被害国と加害国がいつのまにか逆転しているわけです。
勘繰ってみると欧米各国がイスラエルの「自衛権」に深くこだわり声高に主張するのはそもそもイスラエルに自衛権はないということをみんな知っているからなのではないでしょうか?
敢えて強調することによってそれを既成事実化するのは欧米のプロバガンダのいつもの手法です。
しかもイスラエルは宣戦布告なしでイランやシリアやレバノンやイラクを攻撃しています。
ということはこれらの国は国際法上「自衛権」を行使してイスラエルを報復攻撃する権利がある筈です。
それをしない できないのは圧倒的な軍事力の差とバックにアメリカが控えているからでしょう。
要するに弱い者虐めは国際社会で日常茶飯化してるわけです。