ロバート・F・ケネディはJ・F・ケネディー大統領の弟でジョンが大統領の時は司法長官を務めましたが1968年6月民主党の大統領候補指名選挙のキャンペーン中に暗殺されました。
あれから55年経った現在その息子ロバート・ケネディ・Jrが次期大統領選挙に無所属で立候補を表明しています。
ロバート・ケネディ・ジュニア氏、無所属で米大統領選立候補へ…元司法長官の息子で元大統領のおい : 読売新聞 (yomiuri.co.jp)
彼は以前より、伯父のケネディー暗殺にはCIAが関与していたとかコロナは生物兵器だとかその他911などについても多くの「陰謀論」を主張していることでもその名を知られています。
最近のコロナワクチンに対しても懐疑的で、政治的主張としてもウクライナ戦争の即時終結などトランプと重なる点も多いようです。
ハドソン川の水質浄化に取り組んだ環境弁護士としての活動など、広く称賛を受けており、陰謀論の中でも世界中の人が疑念を抱いているような話も多く、支持率も14%ほどを得ていました。
ただ、彼の発言はウケ狙いで根拠に乏しいものもあり、唐突で一貫性がないことも指摘されています。
既に米国では次期大統領選に向けて党の立候補者を決める予備選挙が始まっています。
共和党ではすでに2回立候補者によるテレビ討論会が行われています。
米大統領選、共和党が2回目討論会 トランプ氏欠席に批判も | ロイター (reuters.com)
一方の民主党は次回の大統領選挙候補者ではバイデン以外の候補者を選ぶという意見が64%も占めているのにも拘わらず、民主党本部としてはもうすでにバイデンに決めているためか予備選挙もテレビ討論会も一切行わないという異常な事態となっています。
2024年米大統領選の民主党候補、64%がバイデン氏以外を望む、世論調査(米国) | ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース - ジェトロ (jetro.go.jp)
民主党本部がトランプに勝てそうなのはバイデンしかいないと判断したのか、テレビ討論会でバイデンが何を言い出すかわからないからというのがその理由であるとささやかれています。
このためロバート・ケネディ・Jrは民主党からの出馬を断念し、民主党を離れ無党派で立候補を表明しました。
彼の支持者たちは現在の腐敗した政治や硬直したアメリカの階層社会に新風を吹き込んでくれるのではないかと、はかない期待を抱いていました。
そうして、政党には関係なく特にリベラルの若い人たちの間で支持を集めていたようですがここにきて雲行きが怪しくなっています。
その理由は彼が最近のガザ紛争に関してイスラエルへの「無条件の支持」を宣言したり、イスラエルの軍事行動を熱心に擁護し、数十年にわたるパレスチナの占拠を正当化し、軍事占拠など存在しないとの主張さえしているからです。
更には辛辣な反パレスチナ的発言を繰り返しています。
彼をネオコンが支配する共和民主両党に対抗しうる選択肢として期待していた多くの支持者たちは彼の言動に失望し次第に支持を失っています。
今、何故この時期にユダヤ人でもない彼がイスラエル支持を強く訴えるのか。
それは結局選挙のためだと思われます。
大統領選挙で当選するためには莫大なカネと全国各地で選挙運動の手助けをしてくれる大勢の支援者が必要です。
現在のアメリカでは企業やユダヤ金融資本やシオニストやキリスト教福音派などの組織的協力や支援がどうしても必要となります。
結局彼らの支持や支援を得るためには反パレスチナを主張することが必須条件になっているのです。
イスラエルをちょっとでも批判するようなことを主張すればたちまちマスメディアを筆頭にこれらすべてを敵に回すことになり到底大統領になることは不可能です。
しかし、そのために彼は今までの支持者を失うというジレンマに陥っているわけです。
J・F・Kの大統領選挙の時彼の父親はマフィアに選挙支援を依頼しました。
父親だけではなくJFK自身もマフィアと深い関係があったと言われています。
しかし、彼が大統領に当選するとロバート・ケネディー司法長官はマフィア撲滅に乗り出します。
マフィアにとってケネディ兄弟は裏切り者になったわけです。
ロバートは正義感が強く強引なことで敵も多く1968年6月、ロサンゼルスでの予備選の祝勝会で演説した後、会場を出る途中に難民でエルサレム出身のパレスチナ系アメリカ人、サーハン・サーハンによって銃撃され死亡しました。
サーハンは暗殺動機を「ロバートが親イスラエル的言動を行ったため」と発言しました。
これが本当の殺害動機かどうかは未だにはっきりしていませんが、おそらく誰かに操られての犯行なのでしょう。
同じように現在彼の息子が大統領選挙に出馬し、ユダヤ人でもないのに父親と同じように親イスラエル 反パレスチナを主張するというのも不思議な因縁と言わざるを得ません。
父親は当時民主党の最有力候補でもあり、在米シオニストの支援を受ける必要もないと思われるのに何故反パレスチナを主張していたのでしょうか。
殺害動機がもし本当であれば、それが文字通り命取りとなったわけですからJrがまた同じように反パレスチナを唱えるというのも理解に苦しむところではあります。
それほどまでにアメリカという国はシオニストに牛耳られているという証なのかもしれません。