病める国アメリカ | 狭山与太郎のどですかでん

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アメリカの軍事費は増え続ける一方で既に政府の財政は破綻していることを前回お知らせいたしましたが、これに輪をかけているのが国民の健康状態の悪化、即ち慢性疾患を持つ人の増加であることを米エポックタイムズの記事を「In Deep」というブログが紹介しています。

国民の半数が慢性疾患を持ち、若い世代の40%が慢性疾患であるアメリカの「不健康危機」。同様のことが日本も含めて今後どれだけ拡大するのだろうかと - In Deep

 

この記事によればアメリカの慢性疾患の治療のための総コストは、直接的および間接的を合わせて年間平均 37兆ドル (約 5160兆円)に達し、これは、米国の国内総生産の約 19.6%に相当する

とのことです。

今やアメリカ国民の半数はなんらかの慢性疾患を抱えており、児童を含む若者の40%が慢性疾患を持っているのだそうです。

慢性疾患を持つ人の年間医療費は平均6.032ドル(約83万円)であり疾患がない人の約5倍です。

2016年には慢性疾患の治療のための直接費用は約1兆1000億ドルが費やされ、最も多い心臓病と心血管疾患に26.7%が費やされました。

 

これらはいずれもコロナパンデミック前の数値ですから最新のデータがどうなっているかは不明ですが、おそらくコロナ禍とワクチン禍のダブルパンチでもっとひどい状態になっているであろうことは容易に想像がつきます。

 

アメリカの医療費が高額であり保険制度も金持ち優遇で低所得者は病院にも行けず症状を悪化させ手遅れになる場合が多いことは有名な話で平均寿命も先進国中でも最低で日本と比べて10歳近く短くなっています。

 

 

特に最近問題となっているのが鎮痛剤として多用される致死性が高い合成オピオイド「フェンタニル」のまん延です。

麻薬と同じで依存性があり、ヘロインより最大50倍、モルヒネより100倍強力とされています。

幅広い年齢層で薬物の過剰摂取による死者数が増加し、2021年には約10万6000人を超えています。

なんと1年でベトナム戦争による全死者数58.000人よりもはるかに多くその倍も犠牲者がいるのです。

有名人ではロックミュージシャンのプリンスやトム・ペティー大谷翔平のチームメイトだったタイラー・スカッグス投手、俳優のシーモア・ホフマンなどがおり最悪なのは依存者が妊娠すると生まれた子供も依存症となり、毎年多くの新生児たちが依存症のまま誕生しています。

先日バイデン政権は「フェンタニル」の密造に関わったとして、中国やメキシコを拠点とする17の個人や団体を制裁対象に指定しました。

米バイデン政権、フェンタニル密造で中国・メキシコ企業などに制裁(日テレNEWS) - Yahoo!ニュース

アメリカは中国からの輸入を禁止しましたが中国から材料をメキシコなどに運びそこで製造されたものが出回っていることを先日のNHK「国際報道」でも伝えていました。

密輸品は薬局で売られている正規品と全く形や包装は似ていますが、成分は数倍もあり、作用増強剤として質の悪いヘロインやベンゾジアゼピン系の睡眠薬が混入され挙げ句には作用が正反対のコカインに混ぜてスピードボール(通常ヘロインとコカインを混ぜたもの)など非常に危険なものが安価で出回っているとのことです。

「プリンス」など薬物依存で命を落とした有名人たち――麻薬依存症の新生児も誕生(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース

 

この記事の最後には

以下引用

中南米・コロンビアから始まったアメリカの麻薬汚染はおよそ50年という月日を数えようとしている。コロンビアで誕生した魔術は国を惑わし、多くの殺戮を生み出し、メキシコ・カルテルという怪物まで誕生させた。だが、必ずしもカルテルだけが悪とは言えない。彼らを作り上げたのもまたアメリカという病める大国であり、その病理のすべてを繋ぐのがナルコス(麻薬)なのである。

 

ウクライナへの軍事支援なんかしてる場合じゃありませんね