先日はノーベル文学賞を受賞した大江健三郎さんが亡くなりました。
これで「九条の会」呼びかけ人9人のうち残るは澤地久枝さんただ一人となってしまいました。
「九条の会」呼びかけ人・9人のプロフィール (9-jo.jp)
それにしても改めてこの顔ぶれを見ると錚々たるメンバーで私にとっては神様のような人たちばかりです。
澤地久枝氏とて現在すでに93歳です。いつ鬼籍に入られるかもわかりません。
呼びかけ人が誰も居なくなった後の「九条の会」はどうなるのでしょうか?
「12人の世話人」が後を引き継ぐのでしょうけど、呼びかけ人の9人があまりにも偉大過ぎて吸引力の低下は否めません。
しかもこの中の一人内橋克人氏はすでに亡くなっています。
反原発や世界平和を訴えていた坂本龍一氏も最近後を追うように亡くなりました。
先日、NHKで追悼番組として彼の「100年インタビュー」のビデオを放映していました。
彼は芸大の学生時代に武満徹批判をしていたことなどからあまり良い印象は持っていませんでしたが、インタビューを見てその頃から抱いていた感じとはずいぶんと変わっていることに気が付きました。
彼もずいぶん成長し大人になったということなのでしょうか。
インタビューでは武満徹のことには触れていませんでしたが晩年彼は武満徹をどのように評価していたのでしょうか。
15年ほど前に一度だけ彼のコンサートに行ったことがあります。
かなり前衛的な音楽が多かったような記憶がありますが、結局現代音楽作曲家として先祖がえりをしたということなのでしょう。
彼はインタビューの中で現代音楽ファンは日本に500人しかいないと述べていました。
演奏中ピアノの上に置かれた楽譜には殆ど音符が書かれていなかったことを思い出しました。
彼が反原発を主張するようになってからは殆どマスゴミに登場することはなくなり最近の彼の活動は噂では聞いていましたが訃報と共に流れていたニュースで初めて知ったような状態です。
忌野清志郎も反原発ソングを歌ってからはレコードも発売できずメジャーな舞台から姿を消してしまいました。
坂本龍一のような世界的なスターになれば海外のメディアを通じて自分の意志や考えを主張することは可能ですが、日本の中では殆ど取り上げてもらえません。
ましてや日本の中でだけ通用するアーティストや芸能人が反原発や反戦平和を主張すると徹底的に排除され活動の場さえ失われてしまう。
あの沢田研二ですらテレビに登場することはなく辛うじて山田洋二監督に起用される存在となっています。
反核や反戦を訴える吉永小百合に至っては今や共産党の宣伝塔なんて言われる始末。(因みに、彼女は共産党とは何の関係もありません)
反戦平和を訴える大御所たちが次々と姿を消しています。
昨年は半藤一利、内橋克人氏ら戦後の民主主義を支えてきた著名人が相次いで亡くなりました。
今や平和憲法を守ろうと声を上げる人たちは少なくなる一方です。
改憲に賛成する人たちも何がどのように変えられようとしているのかもよく知らずに賛同する有様です。
原発反対や反核 反戦 平和 沖縄や福島のことなどに声を上げることすらためらわざるを得ないような息苦しい時代になってきました。
タモリじゃないけど新しい戦前はもうすでに始まっています。