優しい言葉。
痛い言葉。
言葉は救う。
言葉は突き落とす。
いとも簡単に。
思えば'言葉の矢'に、昔から弱い。
それは、中傷とか、不特定多数から投げつけられる言葉じゃない。
そんなのは平気。
立ち続ける事は与えられた事であり、命題だから。
そうじゃなくて、自分が知っている人でも知らない人でも、
(もしかしたらそんな表現じゃなくても伝えられたかもしれない事)
は直接、受ける。
それは諦めきれない。
殴られたように血の気が引く。
呼吸が飲み込まれる。
一人一人、それぞれに与えられた同じ'言葉のパレット'から選び取る時、どうしてそんなに刺々しい色に変えてしまうのだろう、と純粋に不思議に思う。
同じ場所で同じ時間を過ごすにしても'それ'はもう、人を別空間・別次元に連れて行ってしまう。
軽いも重いもない。
鋭い事に変わりはない。
放たれた'言葉の矢'は、空気に突き刺さって裂目をつくる。
血が溢れるように、透明な人のココロの水の色まで変えてしまう。
だってそこは一番守られているようで、一番無防備な場所なんだから。
同じ造りなのに。
同じ音数で、もしかしたら救えたかもしれない。
同じ秒数で、もしかしたら幸せあげられたかもしれない。
常に自分にも繰り返し言う。
似ているけど多分、
哀しいんじゃない。
頭に来てるんじゃない。
逃げ帰りもしない。
ただ残念なだけ。
寂しく思うだけ。
さやっ。