ペットの「貧血」について | 佐藤貴紀のペットなんでも相談室

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ペットにも「貧血」はあります。

「貧血」と聞くと「血が足りないのでは?!」と思われがちです。

実際は血液そのものではなく、赤血球の量が関係しているのです。

 

血液検査の項目で

『ヘマトクリット値』『赤血球数』『ヘモグロビン値』

というところをチェックして下さい。

 

ヘマトクリット値は血液中に閉める赤血球の割合を

ヘモグロビン値は血液中のヘモグロビンの濃度を示しています。

 

いずれも基準値が定められており

その基準内であれば酸素を供給する能力に問題はないと言われています。

赤血球は骨髄内で作られ、血管に放出されると肺で受け取った

酸素を体の隅々にまで運ぶ働きを持っています。

 

赤血球の寿命はおよそ100日。

古くなった赤血球は脾臓という臓器で

壊され取り除かれています。

 

通常であれば、骨髄で生産される数と

脾臓で破壊される数が釣り合っているために

赤血球が極端に多くなったり

少なくなったりすることはありません。

 

しかし、このバランスが崩れてしまうことで

「貧血」が起こります。

 

貧血になると、体のいたるところの細胞において

酸素不足が起こります。

 

この酸素不足の状態が放置され

症状がさらに進行すると

多臓器不全から昏睡状態に

陥り死んでしまうこともある危険な病気です。

 

また、「貧血」の原因は

先天性のものもあれば食事や寄生虫による場合もあります。

先天性の場合は防ぐことが難しいのですが

食事や寄生虫・細菌感染の場合は対策をすることが可能です。

 

ネギ類を決して与えないこと、貧血を起こす寄生虫や細菌を媒介させないため

ノミやマダニの対策をしっかりすること、などを心がけてあげましょう。

 

まずは、「貧血」のリスクも軽減する、守るる事が

飼い主さんにできる事です。