最近、ようやく、
パソコンを立ち上げるときに、
昔のIDを間違えて打ち込まなくなってきた。
IDって、不思議だ。
ただの数字の羅列が、
紐づけられて自分の存在自体になること。
携帯の番号も近しいものがあるよね。
最近やっと、新しい携帯の番号を覚えた。
そういう意味では、
私はたくさんの番号を持っている。
銀行口座、健康保険、厚生年金 …
無限大の数字の組み合わせの中でただひとつ、
自分のことを表している数字。
正しく打ち込めば、認証してくれる。
自分が確かにこの組織の一部として存在しているっていう、
この奇妙な安心感って何だろう。
馬鹿馬鹿しいけど、
昔のIDを、忘れないように紙に書き留めた。
忘れてしまうと、
そこにいた自分自身の過去すらも、
消えてしまう気がして。
そんなものはただの感傷で、
私ひとりがいないことで社会は何も変わらないし、
ぽちっとDeliteされてしまえば、
ほんの一瞬で消えてしまうコンピュータのデータなのだけど。
ま、それでも、ね。
ちなみに、新しいオフィスの電話番号は、まだ覚えられていません… 苦笑