小は大を兼ねるー澤登和夫16 | さわとんのブ〜ログ。今。

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5年半のうつ病、マンション最上階からの飛び降り、大腸全摘出、、、その後カウンセラーとして起業し、気づけば早10年。。「ありがトン(サンマーク出版)」、「人生をやめたいと思ったとき読む本(東洋経済新報社)」等の著者さわとん(澤登和夫)が、今、思うこと。今。

おはようございます。


メメント・モリ—澤登和夫15

に引き続き、
自分史を書きます。



初めから読んでみたい方は、

失敗したくない幼少時代-澤登和夫1

をどうぞ。






人は、

だれでもいきいきと生活したい、



つまり

「生きたい」

ものだと
いう話をしました。


(※参考:過呼吸でわかった本当の気持ち—澤登和夫13



このことを身をもって
ぼくに教えてくれたのは、
自分の体です。



ぼくは大腸を
全摘出する手術をしました。



人工肛門ではありませんが、
小腸とお尻がくっつきました。



大腸がなくて生きていけるのか、
と思う方もいるかもしれませんが、
飲食は基本的に一般の人と同じです。



ただ、
ひとつだけ大変なことがあります。


それは、
トイレです。




大腸の一番の機能は
水分を体内に吸収することです。



その大腸がなくなり
水分を吸収してくれなくなったので、
おなかが痛くなってトイレに
行く回数が極端に増えました。



手術が終わってから数えてみたら、
トイレの回数はなんと
1日30回以上でした。



家から出ることもなかなかできないし、
寝ていてもすぐに
トイレに行きたくなり、
ストレスがたまりました。



一生このままの状態が
続くのかなぁと思うと、
もんもんとした気持ちになりました。



そんな体に変化が起こったのは、
手術から約半年後のことです。



あれだけ多かったトイレの回数が
一気に減りました。


30回から10回に減ったのです。


びっくりしました。


なぜ急激にトイレの回数が
減ったのでしょうか。


それは、
大腸の代わりに「小腸」が体内に
水分を吸収し始めたからです。



大腸がなくなって約半年後、
小腸が大腸の代わりをしてきたのです。



これこそ、
「自然治癒力」というものでした。


自分の体が教えてくれました。


なくなった臓器の機能を、
本来の役目ではない
隣の臓器が補い始めた。


これはものすごいことだと思いました。



「大は小を兼ねる」


と言いますがぼくの腸の場合は、


「小は大を兼ねる」


でした。




人間は、

「生きたい」

という欲望が体内にも
備わっているんだと思いました。


そして、
体の変化とともに、
こころも変化してきました。


ぼくはそれまで、
自分の劣っている部分を指摘されたり、
みんなより駄目だと思われるのが
とても嫌でした。


「あいつは普通じゃない」


と思われるのがこわくて、
一歩を踏み出せない自分もいました。


「普通が一番」

だと思って生きてきました。

(※参考:失敗したくない幼少時代-澤登和夫1



実際に言われなくても
そう思われている気がして、
自分の力以上にがんばっていた
ところもありました。


それが、
小腸が大腸の代わりをしてきたころから


「普通じゃなくってもいい」


「みんなと違ってもいい」


ということが腑に落ちてきました。


「無理してみんなに
合わせようとせずに、

自分の体のように、
支えあって生きていけばいいんだ。


普通じゃなくっても、
みんなより劣っていても、

きっと周りの人が
サポートしてくれる。


その恩返しは、
自分の得意なことで
していけばいいんだ」


このようにかなり
思えるようになりました。


「普通じゃない」


ということは、
決して悪いことではないと
思えるようになりました。





ちょこっと角度が変わったことで
随分と自分の弱さも
認められるようになったと思います。


といっても実際には
そんなに変わってない気もしますが


「普通」って、
あるようでないものでもありますよね。



うつが命を守ってくれていた—澤登和夫17

に続きます