2021.12/5 唐詩選 王昌齢 芙容楼送辛漸 | サワラ君の日誌

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僕65歳。隠遁生活。飼い猫14歳。家猫生活。

「墨場必携 唐詩選を書く」(日本習字普及協会)より選句、習字

 

王昌齢 芙容楼送辛漸

Seeing off Mr. Zenshin at the tower "Fuyorô"

寒雨連江夜入呉 平明送客楚山孤 

洛陽親友如相問 一片氷心在玉壺   

寒雨 江に連なって 夜 呉に入る 

I came into Go region at night while it was raining cold on the river Choko. 

平明 客を送れば 楚山孤なり

When I see off my friend at dawn, Mt.Sozan is standing still. 

洛陽 親友 如し相問わば 

If a friend in Rakuyo asks to you about me,

一片の氷心 玉壺に在り

I want you to say that I have a heart like "the clear ice in the jar".

 

 詩情豊かな作者・王昌齢は、国の動乱・安史の乱のさなか、避難して帰っていた故郷で、州長官に逮捕され、無残に殺されてしまう。人事上の恨みつらみでもあったのか、役人同士の人間関係は、傍目にはさやかに見えない微妙なものはあるものの、命を奪うまでとなればただ事ではない。州長官に「一片の氷心」など伝わらなかったと思われるが、そのあたりの事情が伝わらないのが残念だ。