2020.12/17 俳句 千代女 しぶかろかしらねど柿の初ちぎり | サワラ君の日誌

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僕65歳。隠遁生活。飼い猫14歳。家猫生活。

『名歌名句辞典』(佐々木幸綱・復本一郎/三省堂)より選句

 

千代女(ちよじょ)

しぶかろかしらねど柿の初ちぎり

I do not know it is bitter or not. 

I pick the persimmons 

for the first time this year.

 

 『ちぎり』は、『捩り』であることは間違いないが、『契り』の意味を含むかどうか。

 

 加賀千代女は、加賀国松任(今の白山市)で、表具師福増屋六兵衛の娘として生まれているところ、結婚したことがあったのか、なかったかは、両説あってはっきりしない。

 

 しかし、柿の木を特定して柿を捩るのに、しぶ柿かそうでないかわからないということは普通考えられない。したがって、『ちぎり』とは、『契り』の覚悟を遠回しに言っているものと思う。

 

 結婚は、決して甘いものでなく渋いものかもしれないけれども、柿のなる実りの秋に初契り