『名句鑑賞 十二か月』(井本農一/小学館)より選句
几董(きとう)
水に落ちし椿の氷る余寒かな
Camellia flower falling in water are frozen.It's like winter came back.
高井几董(たかいきとう)
寛保元年(1741年) - 寛政元年10月23日(1789年12月9日))。江戸時代中期の俳諧師。与謝蕪村に入門。
余寒のある句
召波 底叩く音や余寒の炭俵
There is a bottoming sound from a place of the charcoal-sack.It's like winter came back.
炭俵は、炭を詰める俵、また、炭の詰まった俵。炭俵の炭は、江戸時代、今でいう電気、ガスを代用したか。
底をたたく音とはいったい何であろうか?外に置かれた炭俵の炭が、急な冷え込みで凍って音を立てたと想像した。
蕪村 関守の火鉢小さき余寒かな
A brazier-Hibachi of barrier keeper-Sekimori is small.It's like winter came back.
子規 鶯の梅に下痢する余寒哉
Bird-Uguisu is having diarrhea on the plum branches.It's like winter came back.
梅に鶯の風流に、下痢…
糞をするであればPoopであるが下痢なのでHave diarrheaとした。鶯も下痢をするくらいの寒の戻り。ポリシーとしては、写生が基本であるところ、さすがに一事が万事とまではいかないようだ。