『書道技法講座17 高野切第一種』(伝・紀貫之 西谷卯木編/二玄社)より選句、習字
ゆ不つくよ 於ほつ可な支尓 たまくし介
婦多みのうら遠 あ介てこ曽みめ
藤原兼輔 古今
夕つく夜おぼつかなきを玉くしげ
ふたみの浦はあけてこそ見め
夕月夜、あたりが暗くておぼつかなきを、玉くしげの蓋の裏は、開けてから見よう
但馬の国の湯に行ったときに二見浦に泊り、夕方が来て乾し飯を頂いたときに詠んだ歌とある。あたりが暗くなって二見浦に到着しおぼつかぬ、夜が明けてから景色を見ようとの意味も兼ねている。
夕月夜 おぼつかなきを 玉くしげ ふたみのうらは あけてこそ見