『響き合う俳句と書 上』(金子兜太監修/天来書院)より選句、習字
芝不器男(ふきお)
あなたなる夜雨の葛のあなたかな
大正15年、仙台からはるかあなたなる伊予の我が家に向かう。作者は、俳壇に彗星の如くあらわれ昭和5年26歳で没との解説。
葛のある句
芭蕉 葛の葉の面見せけり今朝の霜
蕪村 葛の葉のうらみ顔なる細雨かな
葛の葉の裏、うらみ顔、秋雨と、葛で使えるバージョンを全部使いきった贅沢三昧な句?
葛のある和歌
和泉式部 新古今
秋風はすごく吹けども葛の葉のうらみがほには 見えじとぞ思ふ
大伴家持 新古今
神なびのみむろの山のくずかづらうら吹きかへす 秋は来にけり
葛のある随筆
枕草子 清少納言
葛の風に吹き返へされて裏のいと白く見ゆるをかし
葛の葉の裏は何故白い?光合成をするのは表だから表だけ青ければ良し?