『響き合う俳句と書 上』(金子兜太監修/天来書院)より選句、習字
金子鴎亭(おうてい)
早春や銀河の瀧(たき)に水嵩む
早春は、空気中の細かな水滴やちりによって、天の川が霞んで見え、これを銀河の瀧に水嵩むと表現したとの解説。
銀河の瀧とくれば次の漢詩が頭に浮かぶ。
李白
望廬山瀑布 廬山(ろざん)の瀑布(ばくふ)を望む
日照香炉生紫煙
日は香炉(こうろ)を照らして紫煙(しえん)生ず
遥看瀑布挂前川
遥(はる)かに看る瀑布の前川(ぜんせん)に挂(か)かるを
飛流直下三千尺
飛流(飛龍) 直下 三千尺
疑是銀河落九天
疑うは是れ銀河の九天より落つるかと