嫉妬の正体

谷沢栄一

 

 

 

とあるご婦人から

「さわこさん 嫉妬しないでしょ」

と言われましたが

 

いやいや これが・・・

あるんです

 

お釈迦さまの理解に

3苦というのがありますが

 

得ることのできないものを欲しがる苦しみ
欲しくないものを持っている苦しみ
どちらか区別できない苦しみ


執着 反発 混乱であると唱えております

 

人比べて あの人は持っているのに 自分は持っていない

という苦しみも嫉妬の一つでしょう

 

また 自分の置かれている環境と

人の環境を比べて うらやましくなるのも嫉妬

 

嫉妬していることに気づかずに

相手を批判したり 足を引っ張ったりすることも いわゆる嫉妬

(自分の立ち位置を脅かす存在が現れた時にありがちです)

 

私の祖母は熱心な仏教徒でしたが

祖母に連れられて行った法話でお坊さんがこの話を

されていたのが幼心に記憶に残っていました

 

嫉妬は シンプルに

「うらやましい」という気持ちから生まれるものでありまして

 

それまもう

私以外のすべての方々は

うらやましい存在でありまして 嫉妬しまくっているかもしれません

 

しかし

生まれ育ちや環境 能力はそれぞれ違います

そして努力の結果というのもあると思う

 

うらやましいは褒めでもあり

相手を称えることでもあると思う

 

それは自分を比べないときにおこるものでして

 

比較が始まると ネガティブな嫉妬という苦しみを経験してしまうわけですが

人間嫉妬しない人はいないと本書では書いてある

 

日本の歴史を紐解いて

かつての日本の礎を支えた方々が

どのように嫉妬と向き合ってきたかが書かれている

(そのほか 性別や宗教という角度からも)

 

松下幸之助さんは

「嫉妬心は ほどよく狐色(きつねいろ)に焼くがよい」

という名言を残されていますが

 

誰しもが 持つ嫉妬という感情との向き合い方 

処理の仕方を知るうることは必要だと思う

 

それはなぜか

足の引っ張り合いやネガティブキャンペーン

誹謗中傷(ネットにおいても)につながる

 

よい処理の仕方は

まさに 狐色に焼く

つまり 嫉妬をうまく利用して自分を高める必要があるということだと思う

 

すなわち「努力」

相手より劣っていることを認めた瞬間 努力が始まる

 

嫉妬する瞬間が訪れた時

私は意外と チャンスと考えることがあるんですね

 

今の自分に何か足りないことを

教えてくれたタイミングであること

それは何かを探り 近づけるようにどうしたらよいか考える

 

相手を批判したり 足を引っ張ることは

ずっと嫉妬したままが続くということだったりする・・・

 

本書の中に

嫉妬の処理について

「お先にどうぞ」

という余裕と謙虚さが必要だと説いている

 

車の運転と同じですね

優越感の感じ方 

越されるか越されないかではなく

 

お先にどうぞで

自分のペースで着実に目的地に向かう方がよかれと思う

 

あおり運転や迷惑運転は御用になる時代です

それと 嫉妬から生まれる迷惑な行為もなんだか似てはしないか

 

お先にどうぞ の美学は

どこか忘れていた「謙虚さ」を思い出させてくれる

 

3連休中

合間をみて 開いた一冊ですが

実に面白く拝読できました