二人の想いを理解できない「ユキ」は混乱してしまったのだろう。
訓練中、「ユキ」は突然きくさんとマツさんとが立っている、そのちょうど
真ん中辺りで歩くのを止め 立ち止まったかと思ったら
ちょこんと「おすわり」をし、きくさんの方を向いて首をかしげた。
その愛くるしい仕草に二人は、はっ!と我に返った。
「 『 ユキ! 』・・・ごめんね、まだ小さな子犬のおまえに、急な事を・・・
ひどかったね・・・許して!」
きくさんは思わず「ユキ」に走りより、抱き上げて優しくなでながら詫びた。