SEX嫌い
不倫する前からだけど、SEXが大嫌い。性に興味を持つ年頃から、一緒に過ごしてきた主人は若さ故なのか、欲のままに私を扱った。殴られ、青紫に腫れた太ももを擦りながら涙を流していた時。「ごめんね」と言いながら外だろうが、後ろから犯された。「やりたくない」と泣いて懇願する私に重たいグラスが飛んできた。行為を拒否すれば門限を過ぎようが、危険運転で延々と連れまわされ。挙句の果てには、SAに置き去り。ホテルに行けばやるまで帰ろうとしない。そんな事を十何年も続けていけば、自ずと回避策を考える。「感情を殺し、ただただ耐えろ。 果てれば終わる。終われば帰れる」そう自分の時間を取り戻す為に己の身体を、性欲処理の道具として差し出す。上下に揺れる、天井を眺めて。主人が私に覆いかぶさっている姿を滑稽だと思いながら。そんな主人を受け入れてる自分自身の情けなさを感じながら。少し離れた場所から自分達を眺めるように。ただただ終わりが来るときを待った。そんなSEXしかしてこなかった。