1993年4月、私は短大を中退した後に再受験で合格をした女子大の1年生になった。
先日、アルバイトの思い出①で書いた田町での皿洗いのアルバイトは続けていたが、平行して、当時住んでいたアパートの近所にあったクリーニング店で土曜日だけアルバイトをすることになった。
商店街にあるクリーニング店で、店頭のアルバイト募集の貼り紙を見て応募をした。
当初は大学入学までの短期のつもりだったが、お店側からの勧めもあり大学入学後も続けることになった。
レジの使い方を覚えたのもこのアルバイトだった。
私がアルバイトをしていたのは、杉並区の某所だったが、代田橋や祖師谷大蔵等他都内に複数店舗を構えていて、親族経営のため社長の兄弟がそれぞれの店舗を経営していた。
詳しくは覚えていないが、社長は6~7人兄弟で、全員の名前に同じ漢字が1文字入っていて、それが店舗の名前になっていると言っていた。
私がアルバイトをしていた店舗は、社長と社長の長男が作業を担当していて、社長の奥様と近所に住む主婦2人と私で店頭の受付・レジを対応していた。
時給は900円くらいだったと思うが、ここも居心地が良くて就職活動を始めるまで3年程続けた。
クリーニング店で働くのは初めてだったが、ここで知って驚いたこともあった。
例えば、ワイシャツをクリーニングする際に、ノリ無という指定ができたのですが、まあこれは字のごとく
ワイシャツのクリーニングの際に、ノリを使用しない仕上げにするということなのですが。
金額がノリ無の方が少し高いのです。
私はノリを使わないから安いんだと思っていたのですが、社長曰く、ノリ無は通常の工程から避けて別の工程で仕上げをするため高いとのことだった。
確かに言われてみればそうなのだが、まだまだ世の中には知らないことが多いなと感じた。
そして、レジの使い方の次に大変だったのが、受付をするときの値段設定だった。
ワイシャツとかスーツとかある程度定形のものは金額設定が簡単なのですが、ワンピース等は丈によって値段が変わったり、素材によっても違うのでこれは最後まで悩みながらやっていた気がする。
また、働いていると、常連客が持ち込む衣類の特徴や分量でおのずと職業や属性が解ってくるのも面白かった。
このアルバイト先の方々も良い人達ばかりで、社長や奥さんはお客さんがいない時は、自分が子供の頃の話をしてくれたり、帰りにお惣菜を持たせてくれたりアットホームだった。
特に奥さんが作ってくれたポテトサラダは今までに食べたことが無いくらい美味しかった。
未だにあれ以上のポテトサラダには出会えていない気がする。