ドラクエ11の世界はその後どうなるのか | どらくえ考察ブログ

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がんだまぁBlogから派生したドラクエ考察ブログです。
かつてはアーケードカードゲームの日記に使っていたので過去記事に残っています。

 そういえばもうドラクエ11から1年過ぎてたことに気づき、そろそろ宿題にしていた、「ドラクエ11の世界はどうその後のドラクエに繋がるのか」という点について考察してみようと思います。公式サイドからのコメントの情報なども得られたので、そろそろ頃合いかなと。
 例によってドラクエシリーズのネタバレ前提なので、そのつもりでお読みください。


 ドラクエ11は明らかに3に続く話として作られていたわけですが、その割に世界の形が全然違うということと、タイムスリップを行っている結果その後の歴史は分岐しているのか、1つしかないのか、どっちなのかという疑問がクリア直後には生じていました。

 世界の形に関しては、こちらの方の考察でパンゲア大陸が分裂していく過程の途中の世界なんじゃないか、という説が提示されているのをみて、それもありかと思いました。そのためには途方もない時間が必要になりますが、実際それくらい11から見た3は「遠い未来」ということでもいいんじゃないかなと思います。
 というのも、もう一つのタイムスリップにより生じた複数の世界線については、様々な方が考察しているようですが、公式サイドから「どういう形でも一つに収束するのではないか」という考えが示されていることから、「どの世界線でも同じ3に繋がる」、つまり「どのような過程を経たとしても、同じような伝説だけが残るくらい遠い未来の話が3」という解釈をすべきなのだろうと思いました。だとすれば、その間に大陸の形が変わるくらいは当たり前なのだろう、という考え方です。

 実際、ウルノーガを倒した世界であっても、ニズゼルファを倒した世界であっても、セニカとローシュが再会した世界であっても、おそらく「ウルノーガもニズゼルファも倒された」ということと、「ロトの称号を得た勇者が生まれた」ことは変わらないだろう、と思うからです。
 おそらくセニカがタイムスリップしてローシュと再会した世界では、ウラノスの裏切りを何らかの理由で回避し、ニズゼルファを倒すことが出来ているはずです。そうであれば、当然ローシュにロトの称号が与えられますし、彼の勇者の剣が命の大樹に奉納されることになるでしょう。また、セニカ自身が別世界の11主人公の物語を知っているので、それがもう一つの伝説として語り継がれることになるはずです。
 主人公がタイムスリップでいなくなったベロニカ死亡の世界線の方では、ウルノーガがニズゼルファの肉体を破壊しているので、こちらもウルノーガとニズゼルファが両方滅んでいることは間違いありません。問題はロトの称号を受け継ぐ人間がいないことと、勇者の剣が失われていることですが、3までの長い歴史の中でもう1人くらいロトの勇者が生まれているかもしれませんし、その際に勇者の剣をもう一回作ることもあったんじゃないかと思います。それでも11主人公の物語は残された仲間たちが知っていますので、それが伝説として語り継がれるのでしょう。

 つまり、どんな歴史改変があろうとも、最終的に同じ形に収束するというのがドラクエ11とドラクエ3の世界の関係で、厳密にどれがどう繋がると考える必要はないのかなと思います。

 そうであることを前提に、その後のドラクエ3や1、2に繋がる各事象について、色々考察してみたいと思います。

(1)聖竜と大樹
 同一存在であるこの2つですが、3の世界では竜の女王と世界樹に分裂していることになります。その他に天界に神竜がいたりもするのですが、一応エンディングでの聖竜の台詞から、聖竜→竜の女王→竜王と繋がっていくのは間違いないのかなと思います。
 何故この2つの存在が分裂したかは謎なのですが、11の後にルビスがラーミアを生み出したりアレフガルドを創造したりしたことは間違いないので、何かルビスが絡んでいるのだと思います。
 理由はともかく、竜と大樹は分裂し、竜は天に住まい、大樹は単なる世界樹として大地に根を張ったことになります。竜王が悪に染まった理由は相変わらず不明のままですが、ロトゼタシアを生み出したのが聖龍なのであれば、竜王もアレフガルドの創造に何か関わっている可能性があるのかもしれません。ルビスが作った世界を見守るためにやってきた竜王が、ゾーマの残留思念的なものに取り込まれただけなのかもしれませんが。
 ちなみに8の竜神王は竜王の子孫なのは間違いないんじゃないかなと思います。ラーミアが転移しているあたり、竜王の子孫が転移していてもおかしくないので。下手すると竜神族の祖先は8の世界の創造主である可能性さえあります。その血を受け継いでいる8の主人公は、聖竜の加護を受けた11の主人公と同質の勇者なのかもしれません。

(2)大地の精霊
 物語のスタート視点であるイシの村は、大地の精霊を崇めており、これはこれで6のオマージュっぽく、しかもルビスとの関係性を想起させるものだったのですが、ここは全く掘り下げられませんでした。そのためこの精霊がルビスであるのかどうかも謎のままです。ただ、この時点ですでにロトゼタシアにも何らかの精霊がいるのは間違いないのかもしれません。
 さすがに精霊ルビス伝説は公式ではないと思うのですが、厳密にはルビスとは何なのかも全く設定されていない(設定はあるかもしれないが公開されていない)ので、掘り下げるヒントが少ないのが辛いところですね。
 以前の考察で精霊が世界を創造し、竜が世界を見守る役目を持っていると思っていたのですが、今回竜が世界を創造したことになっていたので、その考察はやや崩れた事になります。もしかしたら、ルビスがアレフガルドを創造したこと自体がイレギュラーだったのかもしれません。そのあたりが竜王の闇堕ちの遠因だったりするのでしょうか。

(3)勇者の剣
 ローシュが作った勇者の剣(真)は、後のロトの剣と全く同じデザインでした。しかもこの剣には、光の玉と全く同じ効果がありました。光の玉が竜の女王から与えられるものであること、勇者の剣には聖竜の加護があることを考えると、この「闇の衣を剥ぎ取る力」は聖竜の力の象徴であり、ロトの剣にそれがないのは、単に聖竜の力が備わっていないからなのでしょう。
 一方で、ロトの剣は3の勇者が使っていた王者の剣のはずなのですが、11ではオリハルコン→王者の剣+勇者の剣→勇者の剣・改という生成過程を経るため、少なくとも「11主人公が作った勇者の剣」と王者の剣は別のものという解釈になっています。一方でローシュが作った勇者の剣は王者の剣を更に鍛えなおしたものという可能性もありますが、そうであるなら3の王者の剣がロトの剣になる時に何らかの鍛えなおしが行われていた可能性があります。
 ただ、まるで11主人公が使った勇者の剣・真がその後のロトの剣になったかのような演出がエンディングにあることから、実は1のロトの剣は3の王者の剣のその後の姿ではなく、竜王が自分の城に隠し持っていたオリジナル勇者の剣だったという可能性もありますね。その場合、勇者の剣=11主人公もしくはローシュの剣なのでロトの剣と言っても間違いはないことになります。もしかしたら、竜王が光の玉を奪ったのは、ロトの剣と光の玉を融合させて勇者の剣を復活させるためだったのかも…!?

 ちなみに11主人公の勇者の剣はラミアスの剣に似ているんじゃないか説がありますが、個人的には天空世界は11とは無関係だと思っています。あるとすれば今後天空世界がロト世界と同一世界線であることが明かされた場合のみです。勇者の剣を複数作れる以上、そのうちのひとつがラミアスの剣であった可能性もありますが、ラミアスの剣や天空の剣にはオリハルコン製という設定がないですしね。
 7の王者の剣の正体も気になるところですが、8同様3に登場した誰かが転移してもたらされたものだったりするんですかねぇ。3の王者の剣そのものという可能性もありますよね、ロトの剣が3の王者の剣ではないとしたら。ちなみにデザイン上は、7と11の王者の剣は同じものなので、11のものが直接もたらされたという可能性はあります。

(4)ローシュ・セニカと3の勇者の関係
 セニカが3の勇者の母親とそっくりに描かれていたことから、この両者には接点があるように思わせたいのは確実と言えます。しかし3の勇者はオルテガ似であり、どちらかというとオルテガとローシュの方にも何か関係があるように思えます。
 このことから、ローシュとセニカの子孫の血筋が、めぐり巡って勇者の両親どちらにも受け継がれたんじゃないかなと考えることが可能です。つまり伝説の血筋が再び交わったときに生まれたのが3の勇者であるということです。まぁ、ローシュと11主人公に血縁関係がないあたり、必ずしも勇者というのは血縁で受け継がれるものではないのですが、その後3の勇者の血筋がずっとロトの血筋として勇者の力を受け継いでいるあたり、ローシュとセニカの血筋が交わった効果は何世代かまで続くとも言えるのかもしれません。
 一方で、ローシュが死亡した世界線=11主人公が活躍した世界線では、この血筋がどう受け継がれているのかが謎ということになります。ベロニカ生存の世界線では11主人公の子孫と考えることも可能です。ベロニカ死亡の世界線では…タイムスリップ前にセーニャが主人公の子を身ごもっていたということにしましょうか(笑)。まぁ冗談なしにベロニカとセーニャはセニカの生まれ変わりと言われているものの出自不明(これもビアンカとフローラのオマージュっぽいですが)で、セニカの力を受け継いでいるのであれば、ベロニカやセーニャと、ローシュと同質の力を持つ11主人公の間に子が産まれれば、それはローシュとセニカの子と同質の力を受け継ぐ事になるんじゃないかと思います。

 こんなところですね。その上で、妄想の余地として残されているのが「ベロニカ死亡の世界線でどうロトの名が受け継がれるか」を含む「11と3の間の歴史に何が起きていたか」で、これは今後のシリーズ展開で埋める事が可能にさえなっていますね。また、王者の剣とロトの剣の関係や、聖竜・竜の女王・神竜・竜王(さらに言えば竜神王)の関係性も妄想の余地を残しています。色々なところに考察の可能性を生んでくれたドラクエ11は、個人的には3・5に次ぐ良い作品でした。