ドラゴンクエスト11 失われた時を求めて | どらくえ考察ブログ

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がんだまぁBlogから派生したドラクエ考察ブログです。
かつてはアーケードカードゲームの日記に使っていたので過去記事に残っています。

タイトルロゴが発表された時点で、1に似たロゴであること、序曲がロト仕様であること、3DS版でSFC的なグラフィックでプレイ可能なことから、これは過去作ファン向けだろうと思い3DS版を購入しました。そしてその選択は大正解でした。完全に既存ファン向けでしたね。3~6あたりをプレイしたファン向けの作品です。新規プレイヤーには、ドラクエってこういうものだよと伝えるものでもあるような気がしますが、とりあえず既存ファン向けです。完全に。
 今年のポケモンの映画なんかもそうですけど、既存ファンにターゲットを絞った企画最近多いですね。完全に我々前後の世代が狙われているような気がします。でも多分、作っているのも同世代なんだよなぁ…。昔手塚アニメとかがやたらリバイバルされた時期がありましたけど、あれも当時のファン世代が企画の中心にいたんでしょうね。

 話が逸れましたがドラクエ11の感想いきます。200%ネタバレしますのでご注意くださいね。


(1)大樹到達まで
 序盤のストーリーについては、正直ロトシリーズよりも天空シリーズのオマージュの方が多かった気がします。武闘大会とか、船の曲とか、そして何より故郷が(幼馴染の女の子もろとも)滅ぼされるというのは完全に4ですし、主人公の生い立ち絡みの話では頻繁に5の曲が使われていました(序盤の教会のところとか完全に5の修道院のオマージュ)上、ロウが主人公の父のことをムコ殿とルドマン風に呼ぶなどかなり5を意識していたように思います。主人公は王子なので、5の主人公というよりは息子に近いポジションでした。双子の妹はいないけど。またイベントは6を思い出させるものが多く、特に人魚ネタや海底神殿、氷付けになった町などがそうですね。人魚の話で真実を告げるか否かのところはアモスの話のオマージュにもなっていました。この時点では、「え?もしかしてロトっぽいのはミスリードでもしかして天空系の話?でもOPの剣明らかにロトの剣だしな・・・」とか思ってました。

(2)ウルノーガ覚醒後
 ここでクライマックスには早すぎるよな・・・と思っていたら世界が闇に包まれるバッドエンド気味の展開に。「勇者とは、決してあきらめない者のことです」ってすごいカッコよかったけどダイの大冒険っぽいなぁとか思ってました。でもロトの剣が魔王の剣になるのはなんかロトの紋章っぽかったですね。崩壊した世界でもう一度仲間を集める展開はどちらかというとFF6っぽかったと言えますが。モンスターが焼き直しになったのはモデル数節約かなと。PS4版のあおりを食らっているようにも思いました。
 ただ最初から魔王が支配している世界、というのは1や3の世界がすでにそうだったんだよなぁと思いました。街を少しずつ救っていく展開は3っぽかったかなぁと。そんな風に思っていたら勇者の剣をもう一回作ろうと言ってオリハルコンを加工することになり、そうだよな、あれロトの剣だからそうなるよなと思っていたのですが、剣をつくる鍛冶場を復活させたら3のほこらの曲になり、そこでその曲になるかぁぁぁ!と感動。新しい勇者の剣は見た目がロトの剣じゃなかったので、そうかこれがこれからの新しい伝説の剣になるのか、なんて思ってました。
 先代勇者ローシュが明らかに3の勇者なグラフィックなので、これはもしかして3の後の話で、勇者ロトはアレフガルドとは別の世界に転移していたということなのかな?とこの時点では推測していましたね。
 あと普通にベロニカが死んだのはびっくりしました。生き返るんやろうと思ってたらセーニャのスキルパネルがベロニカ仕様になったのでこれは復活せんわ、オワタと思ってました。(スキルパネルの仕組みってFF10のスフィア盤のパクりやろって思ってたけど、勇者の力を失わせたりと色々便利に使ってましたね)
 なおウルノーガさん、2体に分かれたのでこれは片方が復活呪文使うだろ、邪竜と魔王なら魔法使いそうなのは魔王だからこっちから倒すべきだ!って思ってたら邪龍の方に復活使われて悲しくなりました。まぁ全員ゾーンで使う究極の必殺技で普通に終わってしまいましたが。
 ここでエンディングなのでこの後はベロニカを生き返らせるだけの展開かな・・・?なんて思っていましたが、全くそんなことはなく、普通に3で言うバラモス倒しただけで本当の物語はここからというストーリーでした。ここでエンディングになったのは真の裏要素(ヨッチ族の方)がPS4版にないからなのではないかと思ったり、思わなかったり。

(3)タイムスリップ後
 ベロニカを生き返らせる方法が「過去に戻ってウルノーガ覚醒をなかったことにする」というやり方だったのにはちょっと驚きました。これ未来に残った仲間たちはどうなるんでしょうか。主人公だけ最後未来に戻る?それとも普通に過去を改変してしまうの?と色々疑問が沸きましたが、とりあえず世界崩壊をなかったことにしてよりハッピーエンドな展開・・・にはもちろんならず、真のボスであるニズゼルファが復活してしまいます。この時点で何故かフィールドのBGMが3の「冒険の旅」に。ルーラ仕様不可状態で外に出るとオーケストラ版の入りの部分から聞けるという憎い演出もあり、どうやらこのまま3の世界との繋がりが明かされそうだぞ・・・と期待値はマックスに。
 しかし勇者ローシュは仲間の魔法使いに殺されていて、その魔法使いがウルノーガだったという展開はちょっとびっくりしましたね。この時点でローシュ=ロトの線はなくなったかなとも思いました(さすがに3の主人公が異世界で仲間に裏切られて果てるというのはきつい)。でも勇者と賢者がカップルだったというのはちょっと熱かったです(3の女賢者好き)。
 そしてケトスの真の力の解放に必要だったのは双子の力で、それ故にベロニカ生存のこの世界線だからこそ覚醒できたという演出は見事。ここで当たり前のようにBGMは「おおぞらをとぶ」になるし。ますます世界が3化していくんですが、世界の形が3になるわけではないのでそこに違和感を感じていました。アレフガルドの曲はどのシリーズでもアレフガルドに行かないとかからないように、ドラクエのBGMは世界に依存していると思っていたんですけどね。なのでさすがにニズゼルファの闇の衣を剥ぎ取ると普通にゾーマ戦BGMである「勇者の挑戦」になったのはちょっと興醒めでもありました。お前ゾーマと何か関係あるのかと。顔完全にヨッチ族で身体はエスタークみたいだしギャグやん、と。
 ただエンディングを見てある程度その興醒め感は消えました。

(4)エンディング
 いやーエンディングにはやられましたね。3の後の話だとばかりずっと思っていましたので。勇者の剣が1の勇者に受け継がれるように見せられて、あーやっぱり3と1の間の話か、まぁ世界は違うけどそこはどうにでも解釈できるだろうと思っていたところからの3のOPにつながる展開はびっくりですよ。しかも勇者の母親がセニカそっくり描かれてるのでローシュとセニカの子孫が勇者の母親ですかと。むしろオルテガもローシュの子孫の可能性あるよなとか色々考えてしまいました。
 考察できる余地は他にもたくさんあります。聖竜が邪神と戦っていたというのはマスタードラゴンとエスタークの戦いのオマージュなわけですし、天空世界との接点も全くないわけではありません。カミュが6の主人公に似てるのはあまり関係なさそうですが(むしろ海賊装備とかあって7につながりそうで怖い)。
 タイムスリップに関してもどういうことか分からず、過去は塗り替えられるということならセニカがタイムスリップしてローシュと再会した時点で歴史が変わってしまい、主人公の冒険はなかったことになってしまいます。でもパラレルワールド化するのであれば主人公が過去に戻った時点で当時の主人公と一体化することが説明できません。まぁ真のエンディング後はまたニズゼルファ倒す前に戻るので、実際はセニカが過去に戻って歴史は完全に書き換えられて終わるというのが11の話なのかもしれません。だからエマと結婚しようとしなかろうとその後の歴史には何も影響を与えないのです(笑)。でもそうなると11の主人公にロトの称号を与えられたこともなかったことになるのかもしれませんね。
 ロトの称号と言えば、ローシュが作った勇者の剣=ロトの剣は、3の勇者が使っていた剣とも別の剣ということになってしまいます(というかゾーマが壊したことになる?)。そもそも剣のモチーフであるロトのマークはラーミアを模していたような気がするのですが、そのラーミアは今回出てきませんし、厳密に考えると色々つながらなくなりそうです。そもそもセニカがタイムスリップして歴史が変わったら11主人公の勇者の剣が1の勇者に受け継がれることもなくなるわけで。なんか、最初は1と3の間の話にしようとしてたけど、最後無理矢理3の前の話にしたという感じに考えられなくもありません。
 いずれにせよ11の世界の形は3と全く違うので、11の世界のその後が3(の上の世界)の話だと言われても困ってしまいますね。このドラクエの世界がつながっているはずなのに全然形が違うというのは天空シリーズでも抱えていた問題ですが、推測だけでは解決が難しそうです。大樹が聖竜になって闇堕ちして竜王になったとしてもどうしてそうなったとしか言えないですし。その辺は好きに想像してくれということでしょうか。いいじゃないの、やってやろうじゃないの。

 まぁEDで歴代ドラクエの画面を見せられてますし、モンスターも歴代の人気どころ総登場という感じでしたし、イベントのオマージュやBGMの使い方含めて、完全に「これまでのドラクエの集大成」だったなぁと思います。3~6成分多めですが、タイムスリップが絡むところは7に近いですし、グレイグとホメロスの因縁やマルティナが魔物化するあたりは8っぽいですし、神の民は天空人よりむしろ9の天使に近い設定に感じましたし(見た目はともかく・・・)。そして一番人気がありかつ事実上の原点である3に繋げて終わらせて見せると、過去作のファンを不快にさせずにまとめたシナリオは見事でした。二転三転しますし、ミスリードがたくさんありましたしね。とても楽しめる出来でしたので、過去のドラクエが好きだった方は是非購入していただきたいところです。できれば2Dモードで。
 ゲームバランス的には結構大味だったなぁと思います。終盤は敵も味方も200以上のダメージガンガン与えてきますし。イオナズンが普通に300以上のダメージ入ったりするのにその上にイオグランデがあったりするんででインフレが凄いです。特技もMP使うのは納得いかないけど便利すぎるから仕方ないですね。マダンテが完全に呪文枠なのは良かったです。わかってるね。
 個人的には攻撃力が高いので(あと盾を買わなくていい)ずっと両手剣を使っていたのですが、最終的に勇者の剣が片手剣だったのが悲しかったです。でもロトの盾に相当するものはないんだよなぁ。
 ヒロインがそれぞれ魅力的なのも良かったですね。シンシア枠かと思われたエマは生きていた上に非常に重い女になっていましたので(笑)、唯一ゲーム内で結婚可能でありながら魅力は低めになっていますし、タイムスリップ前に芯の強さを見せたセーニャはあの世界での主人公の正妻ポジションっぽいですし、ベロニカは主人公に惚れてそうな描写が一番多い上に大人に戻れる可能性があるというポテンシャルを秘めていますし、マルティナは主人公よりだいぶ年上のようですが、小さい頃からの仲だし公式でガチぱふぱふ可能(しかも戦闘中)だったりと肉体的接点を妄想できますので(笑)、どのキャラにも主人公と結ばれて良い理由があります。個人的には、マルティナは性格的に暗めで真面目なお姫様なのに、外見や能力は巨乳お色気キャラ扱いなのに非常に違和感がありました。7のアイラなんかもそうでしたが、お色気キャラ設定するならシナリオ上の性格もそれらしいものにして欲しいなぁとは思います。ゼシカみたいに。設定上はベロニカの力も受け継いだ最強の賢者Verのセーニャが一番思い入れ持てますね。まぁ髪は切る前の方が好みですが。大人Verのベロニカはクロスマダンテ使用時に見れるというのはいいですね。2Dモードではわかりませんが。

 というわけで、純粋にファンとしても、考察ネタ好きとしても、今回は非常に満足でした。この路線でモンスターを仲間に出来たりする5成分多めの続編とか出してくれたりしたら嬉しいなぁと思います。
 また11の世界とロトシリーズのつながりについては、後日しっかり考察してみようかなと思っています。SFC版だと王者の剣とロトの剣のデザインが違う、今回も勇者の剣とは別に王者の剣がある、というあたりがミソでしょうか。