ポンセットマウントとは、赤道儀と同様の動きを短い時間してくれる架台です。
DOB8クラシックを買ってから眼視中心で楽しんでますが、せっかくの大口径を写真に活かしたいのが人情というものです。しかしながら、DOB8は微動の無い架台なので惑星などを高倍率で視野に入れてもすぐどこかへ行ってしまって、撮影どころではありません。
何か良い方法は無いかなと思っていたら、天文ファン界隈では良く知られたシベットさんのブログでポンセットマウントという架台の紹介記事を見つけ、シンプルなものなら比較的容易に自作できる内容がアップされていましたので有難く真似させて頂きました。
早速、材料をホームセンターで調達します。
まずは本体用の木板と角材です。
本当はDOB8のベースを乗せられる600mm角の板が良かったのですが450幅までしか既製品で無かったので、ベースの脚突の間にはめ込める様に300mm幅で長さ600mmの板にしました。
次はネジ類です。
蝶番は極軸の代わりをしてくれる重要なパーツとなります。ネジは板厚などを考えながら径と長さを選びました。
次は微動ハンドルの部材です。
M6のずん切りとその周辺部材です。M6というサイズはこの後ご紹介する部材で決まっており、その部材が既製品で手に入る唯一のものなので、その部品を基本にあらゆるものが決まってゆきました。
その次はその大事な部品です。
右パックの黒いアングル部材にM6ナットが溶接されている部品がこの架台の主役です。いろいろ探しましたがモノタロウで1種類だけ見つけられたこの部品が無ければ、この自作もスタートできて無いでしょう。ちなみに本来の用途は自動車に使う部品の様です。
左の赤いパックは架台に取り付ける水準器で、一緒にモノタロウから購入しました。
それでは早速製作を始めましょう。最初は角材の切り出しと下穴加工です。
木材は柔らかいので、電動ドリルで下穴を開けてやらないと割れてしまいます。極軸を構成するパーツと摺動部を構成するパーツをケガキをして切り出し、木ネジ用の下穴を開けます。
部材の準備が整ったところで極軸を作ります。蝶番の角度を私の住むところの緯度である35度に合わせて、斜めに切った角材と一緒に木板に止めてゆきます。
こうすることで上側の板は極軸の動きに沿って持ち上がる様になります。
次は板の反対側にあたる摺動部を構成します。
なるべく角度が同一になる様に、角材を板に取り付けてゆきます。上から降りてくる板をこの部分でスライドして支える構造で、こすれる部分には敷居スベリを貼ります。
次は微動軸の組み立てです。
チェンジノブの頭にダブルナット、下側には止めナットを入れてずん切りを固定しM6のナットアングルを通します。そしてボルト受けのアングルと位置合わせをします。あらかじめ穴位置はナットアングルに合うものを購入しているのでピッタリとボルトを受けられます。
それでは微動軸を本体に取り付けますが、ここがこの自作で一番難しかったです。上の板がわずかながら引きながら上がるので滑らかに動ける取り付け位置をスミ出すのに時間がかかりました。
使い方としては、最初に板を上げておいて日周運動に合わせてハンドルを左に回せば板が極軸の周りを回る動きでゆっくり降りてきます。なのでこの台の上に乗ってる望遠鏡で見えてる星は視野を外れずに追尾されるという理屈で、板が下に来るまで数分間の追尾ができます。
大まかな構造なので精度は低いですが、一軸回すだけで何とか視野にとらえ続けられれば昨今の動画スタックや電視撮影は、アライメントが可能なので撮影ができると思います。
次は、水準器を下板の部材の上に両面テープで取り付けます。
極軸合わせが大雑把とは言うものの、ある程度の水平を出して地面に置いた方が良いでしょう。
不器用なのであちこちに歪みや失敗傷が散見されますが一応完成しました。私にとっては初の本格木工細工です。(笑)
DOB8クラシック用 ポンセットマウント
あと残作業として、DOB8のベース下面に付いているボルト頭が板に当たる部分に穴開ける作業が残っていますが、職場にこれを持って行ってホルソーを借りて穴開けをする予定です。
梅雨空でなかなか晴れにならないですが、実戦投入したらまたご報告したいと思います。
それでは、雲間に見えた久しぶりの月日記です。
27日の月
アトラス60+フォトンED12mm+ルミックスLX7/24mmF1.4
露出1/320秒 ISO400
それでは今回も最後までご覧頂いて誠にありがとうございました。(^^)