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さっとんの読書感想文

タイトル通り、ワタクシ・さっとんの読書感想文。

『書評』よりも『読書感想文』。

そんな言葉の方がしっくりくる感じなのです。

時々映画の感想なども★

苦役列車/西村 賢太
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本題に入る前に、

少し前に、下記の文庫を読み始めた。

蒸発父さん―詐欺師のオヤジをさがしています (幻冬舎文庫)/岸川 真
¥720
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タイトルからして、チョット面白いような気がしたのだが、

実際に読みはじめると

登場人物が多すぎて覚えきれない、

(しかも、それぞれの人物のキャラにインパクトが乏しい)

そんな理由と、

あとは、なんとなく面白みを感じることが出来ず、

更に、受け付けない「何か」があって、

結果、最後まで読まずに、途中で投げ出してしまった。




で、本題。


『苦役列車』も、当初、不幸自慢的なものを感じ、

序盤はダラダラと読み進めていたのだが、

日雇い労働の現場で出逢った、

主人公(私小説なので、作者の事なのだが)・貫太と

同じ歳の専門学校生・日下部と出逢う所あたりから、

話が一気に面白みを増してくる。


それからは、作品の世界にグイグイ引き込まれ、

イッキに読み進めてしまった。


さすが、アクタガワショウ受賞作なだけあって、

久しぶりに力強い引力を感じた作品だった。


アクタガワと言っても、割かし新人の方が受賞する賞なので、

過去の受賞作の中には、

力こそあれ、文章力に疑問を感じる作品も多々あったけど、

(オマエが言うなとは言わないでねw)

この作者の西村さんは、

かなり書きなれた感もあって文章力も安定しており、

好みの差はあるかもしれませんが、

私には面白く読めました。


どうしようもない話だし、

卑屈極まりない、

人間の黒い部分が露骨に表現されているのに、

どこか可笑しく、ユーモアの風を感じるのは、

作者の方の元々の素質なのかな、と思った。


日雇い労働といえば、

私にもそのような時期は長くあったので、

共感できるような部分も多々あった。


この方の、他の作品も、是非読んでみたいです。


勝手に独断!五段階評価 ★★★★☆




ここからは余談ですが、

『蒸発父さん』を私は何故受け付けなかったのかと

この感想文を書きながら考えてみた所、

たぶん、ユーモアが足りなかったんだと思う。


可笑しく書いてやろうという気概だけ妙に感じて、逆に鼻白んだような。


それだけに、「面白み」を表現するというのは、

難しいことなんだなぁと思うのです。


時間が出来れば、

途中から読んでみようかなとは思うんですけどね。

意外と良い作品かもしれないし。

最後まで読まずにアレコレ言うのも、

何か作者の人に失礼な気もするので、

最後まで読んだら、また感想書きます。


世迷いごと/マツコ・デラックス
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はい、今をときめく売れっ子・マツコ デラックスです。


極一部で、似ていると噂されているとか、いないとか。

・・・ウソです。

単に物真似にハマっていたら、

彼氏に「似てる!」と揶揄された、ただ、それだけです。


中村うさぎ氏のファンであれば特に、

売れる前から名前だけは知っていた人は結構多いと思う。


かく言う私もその一人で、

某女性向け週刊誌の連載とか、たまに流し読みしてました。


ま、決して、

「私は前から世に出る人と思っていたわ!」

とか、そういうのではないんですけどね。




と、話を本題に戻します。


多くの方が指摘されていたように、

この本は、「書き下ろし」では無く、「語り起こし」なので、

マツコ氏が語ったことを、

他のライターさんが文章におこしたもの。


そのことに関する批判などもある様子だが、

私は、別にそれはそれで良いと思う。


マツコ氏がテレビで語っているような感じで読めるから、

サラッと本を読みたいときにはピッタリな本。




内容は、マツコが気になる女性有名人について、

マツコなりの視点で20項目に渡って分析した、

独り言というか、飲み屋での語りごとのようなもの。


普通は、ある芸能人の印象やゴシップについて、

「好き」「嫌い」それだけの感情で終わり、

その理由については深く考えたりはしない。


本書は、その感情の底を流れる感情について、

深く掘り下げて分析したもの。


その内容に、

ああ、なるほどなー、と思ってしまう事も多々。




私も、ある芸能人の記事などを読んだりして、

好きか嫌いかなどの印象を受け、

マツコほどではないものの、

自分なりに、

何故そう思うのかを考えてみたりする事がある。


その考えの中で、あ、わかるわーと思ったのが、


ヒロスエリョウコや、タカオカサキや、女子アナなどについて。


私はとても嫌いなのですが、

何故嫌いかって、「オンナの敵」だと思うからなのです。


彼女らが身近にいたとしたら、

間違いなくオトコ寝取られたりしそうだもんねw


だから、嫌い。


マツコの言葉を借りれば、

「オンナの本能で、敵だと感じているのね。ジェラシーよ」

まさに、そのとおり。


ま、このあたりの「嫌い」の理由は前々から自覚してたんだけど、

私などは、元々嫉妬深い性質なので、

あー、だから、キライな女芸能人が多いんだー、と

納得したエピソードというのが、サワジリエリカの項。


私は、サワジリエリカも嫌いなのですが、

エリカ様に対しては、オトコガラミの嫉妬は感じないわけよ。


「別に」の記者会見の内容なんか、

実はどうだっていいのよね。


鬼の首とったみたいに揚げ足取りたいだけで、

本当は、

あんな風に自由に振舞ってみたいという羨望が

隠れていた事に、

この本を読んでてはじめて気づいた。


タニリョウコとクロキヒトミが同じ人種という分析には、

ハッとさせられたけど、

この人たちの図々しさに対する嫌悪は、

サワジリエリカのそれにも通じるものがある。




また別の分類に入るのだが、

エーケービーや、ニシノカナの項も、大いに頷けた。


ニシノカナをリスペクトする若い女が嫌いっていうの、

とてもよくわかる。


私の中では、この分類に、

ハマサキアユミやらも関わってくるんだけどね。




以上、悪口が続いたけれど、

項にあがっていた中で、私が好きなのは、

テラシマシノブとカノウシマイ。


何で好きかって、徹底してるから。


テレビに出てる人だもの。


マツコの言葉、「みんな、異形が見たいのよ」の通り、

ストイックなまでに

エンターティナーに徹している彼女達に対しては、

嫉妬も何もない、

ただ、そこにはリスペクトあるのみじゃない?


嫉妬深い私でも、尊敬するべきものは、尊敬しますよ。


以上、さっとん的・世迷いごとを展開してみましたw




勝手に独断!五段階評価 ★★★☆☆

(面白かったけど、一生モノの本とは感じないので、

 近い将来はブック●フ行き。)


幸福の絵 (集英社文庫)/佐藤 愛子
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とりあえず、ナンチャラ女流文学賞・受賞作品らしいです。


著者の佐藤愛子さんのお名前は、

以前よりよく耳にしておりましたが、

実際に読んでみたのは、今回が始めて。


『女流文学賞』だけあって、女性らしい小説だと思いました。


前にも何度か書きましたが、

小説などを読んでいるときに、

私がよく無意識に思っていることが、

「これを書いた人と飲んでみたいかどうか」

ということなのですが、

さて、

この著者である佐藤先生とお酒を飲んでみたいかと問われれば、

答えは「ノー」。


ぃゃ、まぁ、作家の先生とか、この手のひとは皆、

めんどくさーい人種だらけで、

めんどくさくない人を探す方が難しいと思うのですが、

同じ「めんどくさい」にも、受け取る側の好みというものもありまして、

どちらかとういと、

この小説から感じる面倒さは、私にとっては、苦手な系統。


しかし、それこそ「絵」のごとく、写実的に描かれる感情について、

私にとて、身に覚えのある、手に取るようにわかるような事もあり、

そういう意味で、「上手だな」とは思ったが、

なにかこう、私の魂を揺さぶってくれるような、

そういう感銘とは無縁だった。


まぁ、「私」という読者に、

この小説が表現する芸術を感じる慧眼がないと言われれば、

そうかもしれないし、それだけの話なのだけど。


単に自意識の強いオンナが、

勝手に自分に酔って語っているだけのような印象を受けた。


そういうわけで、

勝手に独断!五段階評価は、★★☆☆☆(★二つ)。



とける、とろける (新潮文庫)/唯川 恵
¥460
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タイトルからしてエロそうな、官能  な、短編集。


著者である唯川恵先生は、

前項で紹介した角田光代先生や、山本文緒先生と共に、

新潮社が主催する『女による女のためのR-18大賞』の

選考委員を勤めておられるわけですが、

どれも、同性・女だからこそわかるエッセンス満載で、

まさに、その賞のお手本のような作品群でした。


個人的には、

『スイッチ』に漂う背徳な雰囲気もそうですが、

定番化していると感じながらも、

ウニや煮穴子など、柔らかい食べ物によるエロスな味覚は、

常々、ああいう食べ物を口に含むたびに

イキそうになるアタクシにとって、まさに好みの小説。


『浅間情話』での、何も起こらない中に漂うエロスも良かった。

なんだか途中、身に覚えでもあるのか、

妙に泣きそうになった。


勝手に独断!五段階評価:★★★☆☆(四つに近いけど、厳しいのです)



八日目の蝉 (中公文庫)/角田 光代
¥620
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祝☆文庫化、そして映画化。


この話は、ずっと、気になっていた。

まだ新聞で連載された頃より、

あらすじから想像される主人公の心理に、

私自身、心当たりが無いことも無かったからである。

(・・・と言っても、

 この話にあるような犯罪行為その他諸々とは、

 縁が無いけれども。)


気になって、読んでみたいと思いながらも、

なかなか怖くて手が出せずにいた。


と、昨年、某公共放送テレビ局でドラマ化。


気になっていた私は、早速毎週ビデオに録画し視聴していた。


そして、毎回号泣。しょぼん

(子役が可愛すぎた!)




先日、再放送されていたので、また観たかったが、

うっかり、視聴を逃してしまった・・・。


だけど、また機会があれば、最初から観てみたい。


それくらい心に残ったドラマでもあった。




ドラマが終わり、

昔は怖くて手が出せなかったが、

今ならきっと、心して読めると思うと感じ、

そのうち、きっと、本も読んでみると、心の中で小さく誓った。


とは言え、実際問題、単行本って邪魔なんだよね。。。

(本がたまるのがいやで、基本、図書館で借りるか文庫派なので)




と、ここへきて、文庫化! (そして映画化)


勿論、すぐに買いました。


そして、読み終わりました。


心にジワジワと染みました。


そして、やっぱり、ドラマ同様、

第一の主人公・希和子が、

フェリー乗り場で叫んだ台詞に涙が止まらなかった。


ネタバレになるので書きませんけど、あの台詞は、秀逸すぎる。




で、ここから、具体的な感想。


まず、このお話は、痴情のもつれの延長の話のようでいて、

そうでは無い。

(・・・って、キャッチコピーからして、そんなのすぐにわかるかw)


恋や愛は、あくまで添付物。


最近、著者である角田光代さんの小説を結構読んだ。


何かのあとがきで書かれていたが、

角田光代さんという方は、

「家族」というものをとことん考え、表現したかったがために、

小説を書き始めたのだとか。


そこで、「家族小説家」と称されていたが、

その呼び方に、私も異論は無い。


この作品は、そんな角田サンが、

それまで培ってきた考えとか、表現とか、

そういうのを、精魂こめて書き上げた最高傑作。


元々、面白い(興味深い)話を沢山書く小説家だとは思うけど、

今まで読んだ彼女の作品の中で、群を抜いて面白かった。


一度読み終わったが、また、何度でも読みたくなるかんじ。


最近は、こういう本と出逢うこと稀なので、とっても貴重。


「家族」というもの。

「女」としての生き方。


今現在、自分が居る家庭、

今後、作り上げていくであろう家庭、

そんな所にまで、思考は及んでゆく。

「考える」きっかけとなり、そして、「感じさせてくれる」本。


私にはまだ、子育ての経験は無いが、

もしも産むような事があれば、

精一杯の愛情を注ぎたい、と、

当然といえば当然かもしれないが、

でも、そういうことも強く感じた。


映画も、ビデオにでもなったら、観てみたいな、と思う。




勝手に独断!五段階評価:★★★★★






【追記】

最近読んだ、同作者の本。

庭の桜、隣の犬 (講談社文庫)/角田 光代
¥600
Amazon.co.jp

コッチは、五段階で★は二つくらい。