「西部警察」の「役車たち」を作った男・福田正健伝<第3話> | 品質安定化設計ラボラトリー日記

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かつて開発業務で活用した「品質不良を開発・設計段階で未然に解決する」タグチメソッド(品質工学)を多くのものづくりエンジニアの皆さんに知っていただきたいと思い、そのために自分自身も学び直しながらブログでご紹介してゆきます。

1.「RS軍団」

 ナンバープレートの謎

 「RS軍団」のナンバープレートは、

RS-1、2、3の順で連番になっているそうです。

※自分は今まで存じ上げませんでした。(汗)

 

 Wikipediaの「西部警察」ページで確認した

ところ、「RS軍団」各車両のナンバーは、

下記のように記載されております。

 

 マシンRS-1:品川59 た 35-29

 マシンRS-2:品川59 た 35-28

 マシンRS-3:品川59 た 35-26

 

(写真はマシンRS-1模型のフロント部分で、

 劇中でも使われたナンバープレートが

 そのまま取り付けられております。)

 

 

 正規登録されていない車両ですから、

元々ナンバーはなく、納品後に

石原プロモーションが独自に作って取り付けた

そうです。

 

 正規車輛にはない改造内容ばかりで、

車検を通るはずもなく、公道を走ることは

できません。

 

2.福田さんは

 納品した特殊車両に

 一度も乗っていなかった!

 意外なエピソードですが、福田さんは

自ら設計、開発した「西部警察」用の

特殊車両には、”一度も”乗ったことが

なかったそうです。

 

 ナンバーがないため自力で公道を

走れず、陸送屋さんに運んでもらって

納品していたのだそうです。

 

3.「登録しなくて良い!」

 豪放磊落なコマサ専務

 福田さんが石原プロモーションの依頼で

手掛けた最初の特殊車両「マシンX」を

造ったときのエピソードです。

 

 初めに「これをベースに作って欲しい」と

指定されたのは、石原プロモーションが

元々所有していた黒いスカイライン

(2000GTターボ2ドアハードトップ)で、

正規登録車でした。

 

 しかし、正規登録車を改造した場合、

登録内容を変更しなければならない法令が

あり、福田さんはそのことで

石原プロモーションの「コマサ」こと

小林正彦専務に相談しました。

 

 コマサ専務の返事は、

「登録なんかしなくて良い」

「こっちで何とかするから心配しなくて良い」

ということでした。

 

 釈然としないながらも

「何とかなるのかな?」と思いつつ

福田さんは依頼通りにマシンXを造り、

納品しました。

 

 ところが、

改造前のナンバーを着けたままの姿で

車体が雑誌に掲載されると、目ざとい読者から

「車検をちゃんと通しているのか?」という

投書が多数寄せられ、それに感づいた

陸運局の自動車検査登録事務所が動き出し、

石原プロモーションには勿論、福田さんが

勤務する日産プリンス自動車販売にも

問い合わせがあったそうです。

 

 結局、法的に「ダメなものはダメ」であり、

石原プロモーションは陸運局からこってりと

「ご指導」を受けたようです。

 

 以後、福田さんは、

「西部警察」の特殊車両はナンバーを

付けられない、

という認識で設計、開発、制作に従事した

とのことです。

 

 

 

 今週はここまでといたします。

 

 ご精読、ありがとうございます。

 

 次週も続きをお楽しみに。

 

<参考文献>

「西部警察MACHINE RS-1 

ダイキャストギミックモデルをつくる」

第11号(2021.4.28号)P10

 

 エンディング曲は勿論、

RS軍団のテーマ曲

「スカイラインフォーメーション」を

お楽しみください。