素敵な夜を終えた自分は、今回の初の沖縄旅行で、北から南まで、多くの観光スポットを回った。

その時は穴場も知らなかったし、とりあえず観光ガイドブックに出てる所を行けるだけ、行ってやろうという気持ちだった。


沖縄で初めて海に触れた場所は新原ビーチだった。

周りには大して人もおらず、気ままに海でのんびりと過ごした。

今ではしなくなったけど、海水浴をゆったりと楽しんだ。

人と会話する事が怖くて、避けていた自分だったけど、テントの下にいたあばさんと、世間話をすることができた。

今では顔を忘れてしまったけれど、その時、ゆったりと人と話す事ができた自分に少し安心したのを覚えている。

初めての沖縄の海を間近に感じ、その美しさに時間を忘れて、楽しむことができた。


滞在期間は四日間だったけれど、その間に万座毛、勝連城、21世紀の森ビーチ、首里城本当に色んな所を回った。

どこへ行っても初めて見る景色に新鮮さを感じ、とても気持ちが良かった。

勝連城で夕暮れを過ごしたが、その時の景色が最高だった。

今でもあそこは自分の好きな場所だ。


色んな事に刺激を受けて、今まで自己嫌悪に陥り、自己否定をして、辛い事ばかり考えていたけれど、この旅行で、沖縄の人や、自然の壮大さに触れて、そんな自分の事を忘れて、素直に楽しむことが出来た。

海が綺麗、確かにそれもあるのだけれど、自分が一番心に残ったことは、空が広いことだったんだと思う。

那覇はちょっと違うけど、それ以外のところだと、どこへ行っても大きな空を感じることが出来て、東京で窮屈さを感じていた自分は、なんか解放されたような気がして、気持ちがゆっくりとし、落ち着いていられることができた。


自分にとっての初めての沖縄、空の広さ、色がとても素敵で印象的だった。


気持ちが落ち着き、すがすがしく、大きな空に包まれている、そんな感覚がとても気持ちがよかった。

初めての沖縄、それは自分にとって大きな影響を与えることになった。


沖縄の空気に抱かれて、自分の心も洗濯されて、良い状態で初の沖縄を旅行を終え、再び羽田へと舞い戻るのだった。




赤いフィットのレンタカーに乗り込んだ自分は、一路読谷村を目指し、58号線を北上した。

初めて目にする那覇の街並みは、予想していたよりも都会的ではあったが、やはり東京ほどの狭苦しさはなく、どこか新鮮な外国にでも来たかのような感じがした。


那覇を抜け、キャンプキンザー沿いを走った時、大きな空に魅了されたのを覚えている。

東京には無い圧倒的な空の広さだった。


初めての沖縄の地。

浦添、宜野湾、嘉手納と抜け、読谷村へ。

目に入るもの全てが新鮮で、空の広さと、海が見えることを素直に嬉しいと思えた。

海に住みたい。

小学生の時に初めてハワイに行った時から、海の近くに住むことをなんとなく憧れた自分は、ここ沖縄で日本でもこんなに良い場所があるのかと感じていた。

カーナビを頼りに読谷村のさとうきび畑の間を抜けて、残波岬ロイヤルホテルへと到着した。

今ではしなくなったけど、初めての沖縄の旅は、まさに観光旅行って感じで、リゾートホテルを使った。

それしか知らなかったというのもあるが。


次第に空が暗くなりかけた頃、残波岬に向かい、夕日を眺めた。

海に沈みいく夕日が美しかった。

こんな景色を見たのは初めてだったかもしれない。

しばし声を失っていたのを覚えている。


夜の帳が落ちて、ホテルへ歩きだした。

その時感じた夜風がとても心地が良かった。

そんな素敵な沖縄最初の夜だった。

虚無感、喪失感、全てのネガティブな感覚に支配されて、身動きが取れなかった自分は、これからの未来を思い、焦り、恐れ、悲観していた。


この生活に入る前、まだ何とかぎりぎりで働いて時に、気分転換にと夏の休暇をとって沖縄へ旅行に行こうと計画をたてていた。

自分がここまでなるとは思っていなかった時期に、決めていたことだった。


虚無の生活の中で、この旅行計画の日が近づいていた。

実際の所、外に出る事にも不安になっていた自分は、沖縄行きもどうするか迷っていた。

しかし、同じ部屋で同じ時を過ごすよりも、少しでも違う空気が味わえたらということで、予定通り実行に移すことになった。


電車を乗り継ぎ、羽田空港へと向かった。

出発の飛行機を待つ間、外に出られる事に、とても嬉しく思い、胸を高ぶらせ、興奮した。

僕を乗せた飛行機は二時間半をかけて、那覇空港へと着陸した。


これが僕と沖縄の初めての出会いだった。


この出会いがこれからの自分にこれほどまでに大きな影響を与えようとは、その時は思いもよらなかった。