私は息子が高校3年生なので、文部科学省の大学入試改革を間近で見ていて、この国の教育行政に不信感でいっぱいです。 

長年の議論を経て2021年以降これまでのセンター試験から内容が変わるはずでしたが、その「大学入試改革3本柱」は3本とも折れることとなりました。建物だったら全壊の状態ですよね。

3本柱は以下の3つでした。
1 英語民間試験の導入
2 国語、数学の記述式問題の導入
3 主体性評価

1と2は数カ月前に導入延期が発表されました。
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ここへ来て残る3も頓挫することに。主体性評価として、生徒が自分で学習状況や部活動、ボランティア活動の実績を記録し、大学入試で活用する「ジャパンeポートフォリオ」というシステムが開発されていました。現在の高校3年生が高校1年生の時から始まりました。このシステムの運用はベネッセコーポレーションが行っており、ベネッセコーポレーションのIDを必ず取得しないとログインできないものです。国とベネッセコーポレーションの癒着のようですね。しかし肝心な入試に利用する大学が少なく、赤字で財政的に維持できないため、文部科学省は運営許可を取り消すことになりました。

息子が「学校で高校1年の頃からポートフォリオを書け書けと言われて書いていたけど、最近書けと言われないと思ったらそういうことだったんだ…」と。新聞記事によると入力した情報は返してくれるらしいと伝えると「もういいわ…」とのこと。

こんなに受験生や学校を振り回すのは、改革どころか後退ですね。