東京は冷たい雨です。ヘアライターのさとゆみです。みなさん、いかがお過ごしでしょうか。

 

最近「書籍を出すにはどうすればいいんでしょうか?」という質問をよく受けます。

今日はこのことについて書いてみようと思います。

 

 

 

というのも、この週末、世界的ベストセラー『人生がときめく片づけの魔法』を世に送り出した、タカトモさんこと高橋朋宏さんにお声かけいただいて、タカトモさんが主宰される、「ブックオリティ」という出版ゼミにゲスト出演させていただいたからです。

 

↑中央がタカトモさん、右は『成功する人はなぜ神社に行くのか』の著者、八木龍平さん。

 

 

この著者ゼミの話はあとで詳しく書くのですが、その前に……。

 

 

私たちが、本を書きたい、と思った場合、どんなルートがあるのでしょうか。

 

 

 

私も書籍業界で書くようになるまでは知らなかったのですが、小説やエッセイといった、いわゆる作家さんが書かれる文芸ジャンル以外にも、

 

・ビジネス書

・自己啓発書

・実用書(ファッションや美容、健康、料理……など)

 

のようなジャンルがあって、こういう書籍の分野の編集さんは、常に新しいテーマや著者さんを発掘しようとしています。

 

 

編集さんたちが企画を立てるときの道筋は、大きくわけて2つあって

1)この著者さんにこのテーマで本を書いてほしい

というケースと

2)このテーマで本を作りたいから、それについて書ける著者さんを探す

というケースがあります。

 

どちらの割合の方が多いのかは、ちょっとわからないのですが、私は、「思ったよりも(2)のケースが多いんだな……」ということに驚きました。

 

編集さんは常日頃から、ウェブメディアのコラム、ブログやnoteなどでの発信、あとは講演会などをチェックしてらして、新しい切り口で書籍を書ける著者さんを探しています。

 

そして(これは体感的にですが)、郵送された持ち込み企画は、ほとんど通らないというイメージです。

 

ある編集さんに聞いたところ、毎月山のように編集部に企画書や原稿が送られてきて、だいたい200本に1本、編集さんの目にとまるかどうか、という確率かなあとおっしゃっていました。

(でも、こういう郵送企画から大ヒット本が生まれたケースも聞いたことがあります)

 

ですから、出版社に伝手もなく、はじめて本を書きたいと思った人が、自分の企画をみてもらえる機会はほとんどないということになります。

 

なのですが

 

ここに、「出版ゼミ」とか「著者ゼミ」などとよばれる、商業出版を目指すための勉強会の存在があります。

 

 

 

有名なのは「十年愛(十年愛される著者になる)」の略称で知られる、土井英司さんの出版ゼミ。こんまりさんも、このゼミ出身です。ビジネス書の大ヒット本もこのゼミから多数出ています。

 

こういうゼミでは最終日に、出版社の編集さんたちの前で最終プレゼンをすることが多いのですが、このプレゼンが編集者さんに刺されば、企画をみてもらったり、書籍化のオファーをいただけたりします。

(余談ですが、こんまりさんのプレゼンの時には、その場にいた審査員の編集さん全員が出版を希望して手をあげたという話を聞いたことがあります)

 

 

という、前置きが長くなりましたが、実は『女の運命は髪で変わる』は、こういった出版ゼミに参加したことがきっかけで、世に出ました。

 

私が通ったのは、サンマーク出版の「本気で著者になる出版ゼミ」というゼミでした。先にお話した、こんまりさんの『人生がときめく片づけの魔法』を編集された編集者、タカトモさんこと高橋朋宏さんが主宰されたゼミに通ったのです。

 

ここで、私たちは、

・著者になるために必要なこととは?

・企画はどうやって立てる?

・一冊をどうやって構成する?

・プロフィールの書き方は?

・「はじめに」の書き方は?

……などを、みっちりがっつり教わりました。

 

4年前のことです。

 

私の企画は、そのゼミではあまり評価されず、出版を約束されていたグランプリにも準グランプリにも選ばれませんでしたが、ある編集さんが「一緒に本を作りましょう」と声をかけてくださり、結果的に世の中に出していただけることになりました。

 

ゼミの同期には、27.5万部の大大ベストセラー『成功している人はなぜ神社に行くのか』を出された八木龍平さんがいます。

 

八木さんは、ゼミが終わって書籍の出版が決まった時点で、会社をおやめになり、退路を絶って著者としての人生をスタートされました。

 

今は、執筆活動をされながら、講演会や読者のみなさんと全国の神社をめぐる解説ツアーなどをされています。

 

 

 

その八木さんと一緒に、タカトモさんが主宰していらっしゃる出版ゼミの受講生の皆さんの前で、卒業生インタビューを受けてきたのです。
 

 

 

タカトモさんや八木さんとお話したことで、私が感じたことのひとつは、上の記事で八木さんが触れていらっしゃることと、まるっと同じでした。

 

 

つまり、書籍というのは、出版するのがゴールではないということです。

なぜなら、書籍は、あっという間に「なかったことになる」ということです。

 

 

日本では、平均すると1日に200冊の新刊が生まれています。限られた書店のスペースの中で、書店さんに長く置いてもらえる本は、ほんのひと握りの本だけです。

 

よく、若い書き手の方に「ウェブの記事はすぐに流れていってしまうから、書籍化を目指している」と言われますが、ウェブよりも書籍のほうが、あっという間に消えていきます。
最近では電子書籍があるので、絶版の感覚は薄くなりましたが、紙の本だと、売れなければ1年で絶版になって、古本以外では手に入らなくなります。

 

でも一方で、書籍の力はすごくて、こんまりさんの例のように、たった一冊の書籍から、世界的なブームが生まれることもあります。

また、(これも書籍を書くまで知らなかったことですが)日本のメディアのネタの多くは、書籍から生まれています

ですから、こんまりさんほどの規模ではなくても、書籍がきっかけで、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、ウェブ媒体などから、さらに自分のメッセージを広げてもらえることも多々あります。自分では思いもしなかったルートで、伝えたかったメッセージが届くこともあります。

 

 

 

『女の運命は髪で変わる』も、テレビや雑誌をはじめ、70以上の媒体さんに取り上げていただきました。

 

 

ゼミでお話させていただいた際、「どうしてそこまで、販売促進を頑張るのですか?」と聞かれたのですが、それをしないと、書籍はあっという間に「なかったこと」になるし、

それをすることで、自分が伝えたかったメッセージが、いろんなルートを通って、たくさんの読者さんに届く可能性が広がるからです。

 

 

 

 

『女の運命は髪で変わる』を出版していただいた時、私には、2つの目標がありました。

 

ひとつは、髪の大切さを一人でも多くの方に知っていただき、髪を通して自己実現をしてもらいたいということ。

 

そしてもうひとつは、「髪」というジャンルが、もっとメジャーになってほしいということ。ファッション本やメイク本と同じくらい髪についての本が出版されてほしいし、書店に「ファッション」や「メイク」や「ダイエット」の棚があるように「髪」の棚が作られてほしいということ。

 

だから、まだ全然、道半ばだと思っているし、出版から3年たった今でも、この本を1冊1冊、読者の方に手渡しする気持ちで、届けていきたいなあと思っています。

 

 

自分のスタート地点を思い出させていただく時間になりました。タカトモさん、八木さん、ブックオリティのみなさん、ありがとうございました。

 

 

【19刷・8万2000部になりました】

 

 

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(髪型関係ではなく、出版、ライティング、書籍ライターとしてのブログは、「ライターさとゆみの日記」で書いております。もしご興味ありましたらこちらもどうぞ)

 

 

んでは、また。

さとゆみでした。

 

 

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