雑誌のヘアページの撮影や、ヘアカタログ撮影は、朝の7時くらいからスタートします。

 

というのも、美容師さんのサロンでの営業が始まるまでに、できるだけ終わらせようということで、朝早い時間から撮影スタートするのです。

 

 

ライターになってすぐの頃には、スタッフ全員が納得のいく写真が撮れるまでは粘り続けるので、

10時に終わりますと言っていた撮影が、結果的に11時や12時に終るということもよくありました。

 

ところが、

私たち撮影チームにとっては、撮影が本業なので、数時間押すことも含めて日常の仕事のうちなのですが、美容師さんは違います。

美容師さんにとっては、撮影は広報活動の一貫にすぎず、サロンワーク(美容院で施術をする仕事)が本業です。

 

 

ライターになったばかりの時は、そのことに全然考えが及んでいなかったのですが、

今考えると、撮影が押してしまった時は、美容師のみなさんがお客様に時間をずらしてもらったり、先にシャンプーやカラーリングを進めながら待ってもらったりと、いろんなご負担をかけてしまっていたのだなあと反省します。

 

 

 

 

ライター人生の後半は、ずっと、「撮影時間をおさない→サロンワークでお客様を待たせるようなことにならないようにする」を一番大事に考えました。

 

 

つまり、美容師さんに時間どおりにサロンに戻ってもらうことを再優先に考えていました。
 

 

撮影は、こだわり続ければ際限なく何時間でも撮影できてしまいます。

 

でも

 

かわいいヘアページを撮影できなくても、人は死にはしないけれど

 

そのとき、サロンでその美容師さんに切ってもらいたいと思って待っているお客様のことをお待たせしたり、

 

急いだことによって、結果的にいい仕上がりにならなかったら、

 

 

本当は幸せになるはずだった人を、不幸にするかもしれなくて、その結果、人が死ぬことあるかもしれないと私はほんとに思っていて。

 

 

だから、もちろんプロの編集&ライターとして、撮影現場では毛束の1ミリにこだわりまくるし、

可能なかぎり粘るけど、粘れるだけ粘って、時間がきたら、そこまで。と、いつも思っていました。

 

 

撮影が押した時間の間にお待たせしているお客様は、先月号の撮影の写真を見てきてくださったお客様かもしれない。

 

そのお客様をないがしろにして、次の号の撮影をするというのは、なんか全然違う。

 

そう思ったからです。

 

 

ヘアスタイル撮影は、雑誌社のためにするわけじゃなくて、可愛いページを作るためにするわけでもなくて、

 

それを見てくれる読者(=お客様)に、その髪型を手に入れて、幸せになってもらうためにするんだって

 

当たり前のことに気づいたのは、ライターになってから数年たった時のことでした。

 

 

 

遅い。

遅すぎたけれど、

気づけてよかったと思ったことです。

 

それ以来、私のヘア撮影に対する考え方は、がらっと変わりました。

 

 

んでは、また。

さとゆみでした。

 

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