「叫ぶ前に、自分の足元で糸を切れば良かったと思う。」


息子の答えから気付かされたこととは、

私も仕事で全く同じように考えていたとうことです。


私は小売業に勤めております。


昨年からの世界同時不況の影響で売上がどんどん減少している状況です。


売上を回復させるための企画を立案していく立場でしたが、外的要因があまりに悪く、為す術もないように感じていました。


しかし、このままの売上が続けば、パートさんや派遣社員の人を切らなければならなくなります。


私の頭の中にあるのは「少ないお客様を如何にして競合他店から当店に来てもらうか」だけ。


要するに競合他店を出し抜いて、自分のところだけ生き残ろうと考えていました。そして実行をしていました。


それで、売上が上手く回復したかというと、やらないよりは良いかという程度でしかありませんでした。


結果が伴わないのはあたり前ですね、

お客様のことを考えず、自分が生き残ることしか考えてなかったのですから、


まさに私は「カンタダ」だったのです。


それから考え方を昔(1年前)にもどし「お客様に喜んでいただける」をモットーに努力しています。


売上はまだまだですが、いずれ回復することを信じています。


店舗の雰囲気がまた元のように少しづつですが明るくなってきたことが何より嬉しいです。


このことに気付かせてくれた息子に感謝!


親子の気持ちや考えは、思いもよらないところで繋がっているのかもしれません。


姉に続き息子も中学受験がしたいと言い出したので、この春から塾に通い出しました。

下の子なので、何でも上の真似をしたくてしょうがないのでしょう。


男の子は公立でも良いと考えていたので、私立に行きたいと言い出したら金銭的に辛いけれど、塾に行きたいという意志を尊重して姉と同じ塾に通わせています。


先日、国語のカリキュラムテストでの息子の回答をみて妻とともに、ひっくり返りそうになった話をします。


芥川龍之介の「蜘蛛の糸」というお話しはご存知でしょうか。

「大泥棒のカンタダが地獄から這い出そうと、天上から垂れ下がった蜘蛛の糸を一心不乱に登っていき、途中で休憩していると、下の方に数限りない他の罪人達も登ってくるのが見えた、そのとき、カンタダは「こら罪人ども、この蜘蛛の糸は俺のものだ、下りろ下りろ」と叫んだ、途端に蜘蛛の糸はプツリと切れて、カンタダはまた地獄に落ちた」というお話しです。


さて、テストの設問は、―線部分(上記の叫んだ部分)でカンタダがあなたならどのようにすれば、天上に登れたと思いますか、自由に記入しなさいというような内容(詳細は覚えていません、すみません)。


息子の答え

「叫ぶ前に、自分の足元で糸を切れば良かったと思う。」


結果は当然「×」


なんでそのように考えたか理由を聞いて見ると、

「みんなが登ってきて、重くなったから糸が切れたのだから、早く足元で切ってしまえば、軽くなって大丈夫だと思ったから・・・」


う~ん、確かに理科なら正解だけど・・・・国語だからね~

はっきり言って言葉に詰りました。


この場合は、「自分だけが助かろうと考えたことが良くなかった」という説明をしても本人は今一ピンと来ないようす。国語を教えるのは本当に難しいことだなと思いました。



しかし、この事で後日、仕事上であることに気付かされることになりました。そのお話しは次回に致します。

中学受験の続きです。


前回、親御さんの熱狂が凄まじいと書きましたが、今回も私の体験をお話ししたいと思います。


娘の塾で同じクラスの子の中に模試でいつもカンニングをする子がいました。

試験官はいい加減なものなので、カンニングをしようと思えば簡単にできるようです。


また、授業内の小テスト(隣りの人が丸付けする)では、「間違っていても全部丸にして!」とその子からお願いされていたそうです。


理由は「全部正解でないと、お母さんに叱られるから、お願い。」ということでした。

かなりのプレッシャーを受けていたのでしょう。


私はこの話し娘からを聞いたとき、そんなにも追い詰められているのだなと、どうしようもない悲しさを覚えました。


その子は塾内ではトップクラスの成績でした。でも、装飾した成績では本番の試験では通用しないのは明らかなことなのに。


親が志望校に合格するために多大なプレッシャーを掛けて、子供は耐えられずにカンニングにはしるようになったのだと思っていました。



この話しを友人の塾講師に話したとき、意外な回答でした。


友人が云うには、プレッシャーだけでなく、子供は親に喜んでもらえることが、何よりも「幸せ」を感じるものだそうです。


カンニングでもなんでもして、良い点さえ取れば、親は喜んでくれる。だから、良い成績をとることにだけに熱中してしまったのかもしれないねと。


また夫婦仲が悪いとか、受験、受験で家族中がいつもピリピリしているとか、そういった家庭環境が背景にあるのではないかといっていました。


中学受験に成功する秘訣は、何よりもお父さん、お母さんの仲がよくて、家族仲がよいことだそうです。そういったご家庭のお子さんは皆、志望校に合格していると言っていました。


私はなるほど、思うとともに、親にとっても子供が喜ぶ姿をみるのが、なによりの「幸せ」だから結局、子も親も同じなんだと思ったら気持ちが少し楽になりました。