大宮妄想小説、BLです。

ご理解のある方のみ、どうぞ。

苦手な方、不快に感じる方はご遠慮下さい。






こちらのお話は

Pritenderの番外編。


再会してから3年後の

二人になります♡


(本編はこちら↓)


(本編・智くんsideはこちら↓)


(おまけ↓)(今月中のみ期間限定で全話一般公開)


(おまけ2↓)




ではでは…どうぞ♡
























和也side






ブー…ブー…と。




布団の

向こう側から。


着信を告げる

バイブ音が聞こえる。











無視しても。


無視しても。


一向に止まない

バイブ音。










いつもならすぐ出る

着信だけど。




今日だけは。


どうしても

出る気になれなくて。




身動きしないまま。


布団の中で

くるまり続ける俺に。


ようやく

諦めたのか。


鳴り続けていた

スマホが。


シン…と

大人しくなった。













智からなんだろう。


それは

ちゃんと分かってる。




出なきゃ

きっと心配する。


それも

よく分かってる。




きっと。


智が

電話したのは。




どれだけ

メッセージを送っても。


一向に

既読がつかないから


…ってことも。




分かってる。


分かってる。




全部分かってる。


けど。












智のこと。


想うだけで。




さっき見た

光景が。


何度も

フラッシュバックして。




今だけは。


どうしても。





智の声も。


顔も。




なんにも

感じたくなかった。































ずっと前から。


話は聞いてた。








恋愛映画に

主演で出ることになった


…って。








そのことは

ちゃんと。


仕事が決まった

その日の夜に。


智がちゃんと

話してくれていて。




俺も…


普通に。


いいんじゃない?

…って。


智の背中を

後押ししていた。










「映画の主役なんてさ…

大抜擢じゃん。」


「……………でも、」


「もう決まってるんでしょ?

なら、しょうがないじゃん(笑)」


「………………だって、」









一日の終わりに。


二人で座って

しっぽり飲む。


毎日の貴重な

智とのルーティン。




話題作りのために…と。


俺が出演してたドラマの

主題歌を歌ってた智が。


話題にもなるから…と

軽い気持ちで友情出演したのをきっかけに。


智の所にも入るようになった

演技の仕事。




恋愛モノ以外なら…と

受けていた智に。


社長が勝手に

恋愛映画の主演を受けていたそうで。




アルコールで

目がとろんとし始めた智が。


不服そうに

口を尖らせていたのを。


俺はむしろ

宥めていたくらいだった。








「社長もさ、そんだけ智を

見込んでるってことじゃない?」


「別に…

見込まれてなくてもいーし、」


「あなた、演技の評判いいじゃん。

"憑依型"…なんて言われてるの知ってる?」


「…………………………」


「これでいい作品できたら

仕事の幅も広がるし。」


「…………………………」


「経験値にもなるし。

せっかくのチャンスじゃん、ね?」


「……………………お前は?」


「………え?」


「お前は………いいのかよ、」


「………………俺?」


「俺が……そういう……映画なんか出て、」


「…………………………」


「…………………………」


「………………そりゃ…もちろん、」


「…………………………」


「イヤって気持ちが…全くないわけじゃないよ?

当たり前じゃん。」


「…………………………じゃあ、」「でも、さ。」


「仕事、でしょ?」


「…………………………」


「それ言うなら…

俺だってそういう仕事、引き受けることあるし。」


「…………………………」


「そこはちゃんと割り切れるよ。

だってニノちゃん大人よ?(笑)」


「…………………………」


「それに、別にそんくらいで

どうこうなる俺達じゃないでしょ?」


「…………………………ん、」









そう。


別に大丈夫。




ちょっとくらいは

イヤだな…とか。


そりゃ

思っちゃうだろうけど。




それは全部。

演技の中の世界。


創られた世界の話。




キス…とか。

ハグ…とか。


恋愛が主なんだから

あるかもしれないけど。




そこは…

今の内からちょっとずつ。


心の準備を

していけばいい。








ただ。

それだけ。









「っていうかさ。俺が平気かどうかなんて。

そんなのあなた次第じゃない?」


「……………………俺?」


「そんなの気になんないくらい。

大事にしてくれるんじゃないの?」


「……………………んなの、」









言われんくたって

分かってる。


…って。




ぐい…っと

身体を押し倒されて。


酔ったオトコの目をして言われた

その一言に。




あぁほら大丈夫


…なんて。




ラグの上で

愛されながら。


考えた。








いつだって

側にいてくれる。


智と

お揃いの香りも。




永遠の愛を

誓ってくれた。


互いの左手につけられた

指輪だってある。






こんなに。


この人から愛されてる

…って。


俺。

知ってるから。




だから大丈夫。


何も心配ない。










智に

口づけられ。


揺らされ。


愛 撫 され。




確かな愛を

身体に刻まれた。


あの日の夜。










こんなに

愛されてるのは。


俺なんだから。




だから大丈夫、って。





今日まで

ずっと。


思ってたのに。














次回のUPは、明日AM6:17です♪