大宮妄想小説、BLです。

ご理解のある方のみ、どうぞ。

苦手な方、不快に感じる方はご遠慮下さい。






われらがにのちゃん♡

お誕生日おめでとうございますヾ(*´∀`*)ノ♡


めいっぱいの愛と

お祝いの気持ちを込めて…


Pritenderの番外編。

再会した二人の一年後のお話になります♪


(本編はこちら↓)


(本編・智くんsideはこちら↓)


(おまけ↓)(今月中のみ期間限定で全話一般公開)




ではでは…どうぞ♡



















智side









「すみません!
もう一度お願いしまーす!」











スタッフさんの
掛け声に。

思わず
ハァ…とため息が漏れる。










"ごめん。
もう少し時間かかりそう。"










立ち上がり間際。

手に持っていた
スマホに。

素早く打ち込んで
送信すると。



すぐについた
"既読"の文字と。

"お疲れ様。頑張って。"
の、メッセージ。













……本当なら。



仕事なんて
とっくに終わって。

和の家に直行して。

用意してた
プレゼントを渡して。









おめでとう…って。



今頃
和のこと。

たくさん
祝ってやれてたはずなのに。






















時刻は、もう。

20時を
半分回った頃。















大事な。
大事な。

和の誕生日が。



もう。
あとちょっとで。

終わろうとしている。
























和と再会して。

再び、和の側に
いられるようになってから。



時が経つこと。

はや半年。



今日は。

和と再び
結び合わされてからの。



初めての。

大事な。
大事な誕生日。
















側にいられなかった
約3年分の月日。



その分の時間も
全部合わせて。

今年の
和の誕生日は。

絶対…絶対。

二人で
ゆっくり。

時を過ごそ…って。



和と二人。

何度も
約束していたのに。















それなのに…

よりにもよって。

そんな
大切な日。



どうしても予定をずらせない…という
アルバム曲の収録が入ってしまい。

夜、仕事終わりしか…
会えないことになってしまって。



ごめん…と。

めちゃくちゃ
へこみまくってる俺に。

しょうがないよ…って
和は笑った。














「仕事でしょ?
なら仕方ないじゃん。」

「………でも、」

「それだけ仕事があるなんて…
有り難いことじゃない?」

「……………………ん、」

「ちゃんと頑張ってきてよ?
俺はのんびり待ってますから(笑)」

「…………………………」

「たった1日なんて…
3年に比べたらもう一瞬よ?(笑)」












それくらい楽勝でしょ
…って。

そう言って。
なんてことない振りして。

笑って
受け止めてくれた和。












一緒に過ごそ…って
話した時。

ほんと?…って
キラキラ目を輝かせて。

喜んで。

鼻歌なんか歌って。



すっごい
嬉しそうに。

していたはずなのに。







普段。
お互い忙しくて。

なかなか
一緒にいるのが難しい分。

誕生日だけは…って。

そう。
思ってたのに。








こうして
仕事が入ってしまった上に。

機材トラブルまで
発生して。



今日中に
帰れるかどうか。

それすら危うい…とか。







どんなに
イライラしても。

まさか。
頑張ってくれている上に。

さっきからずっと
すみません、すみません…って
謝り倒されてるスタッフさん達に
当たるなんてこと。

もちろん。
できるはずなく。








行き場のない
焦りばかりが募って。

こっそり
何度も。

ため息ばかり出る。











「……ね、翔くん。」

「……ん?」

「これ…」

「………………」

「今日中に帰れっかな、」

「……帰りの車で。
なんとか間に合わせるから。」

「………………」

「だから…収録。
きちっと頑張ってきて?」

「………ん、」









ぽん、と。

励ますように
押された背中に。



なんとか
気持ち切り替えて。

もう一度。
レコーディング室へと入る。








……とにかく。

今は。



頂いてる
大切な仕事。

待ってくれている
ファンの子のためにも。

自分が
求められてること。

ちゃんと…
果たさねーと。










集中力を
高めるために。

スゥ……っと。

息を吐く。









耳に当てたヘッドホン。

始めます…の
合図を待ってる間も。

頭の片隅に
浮かんでるのは。

一人待ってる
和の姿。















そんな…

一人で待ってる
和の姿が。



俺のバッグの中で
ずっと。

出番を待ち続けてる
和へのプレゼントと…重なる。


















和…



















一人に
させてばっかで。

ごめん。










絶対…

絶対帰るから。






絶対帰って…




んで…

おめでとう、って。



会って。

絶対伝えるから。










そんで…



大事な…

和の誕生日。





ずっと…
ずっと用意してた。

あのプレゼント。



絶対。

今日中に。



和に
渡すんだ。















ヘッドホンから
流れてきた。

お待たせしました…という
スタッフの声。





本番一発で。

最高のものを
届けられるように。



目の前の譜面台に
置かれている歌詞に。

グッ…と全神経を
集中させる。
















何度か
繰り返し。

パートごとに
レコーディングを進め。










一時の静寂の後に
聞こえてきた。

オッケーです…の
スタッフの合図。









「お疲れ様でしたっ!」










耳につけていたヘッドホンを
素早く外して。

できるだけ
猛ダッシュで。

レコーディング室を

後にした。














次回のUPは、明日AM6:17です♪