お坊さんでお医者さん。
禅僧から医師の道へ 身心一如(しんじんいちにょ)を体現する“僧医”
対本宗訓さん(つしもと そうくん)
なぜ人は死ぬのか。なぜいま自分が死ななくてはいけないのか。死の恐怖にどう対峙すればよいのか……。薬で身体の痛みを押さえることはできても、末期患者たちのこころの痛みに対しては、科学は為す術がありません。
仏教の“身心一如(しんじんいちにょ)”という言葉で表されるように、身体と心はけっして切り離せないもの ―中略― 医学の対象は生命科学としての“命”であり、宗教の対象は心や魂としての“いのち”です。両者が表裏一体であるならば、現代に生きる僧侶は生命科学としての“命”の領域をも知る必要があります。そういう努力をしていかなくては、やがてだれも僧侶の言葉などに耳を貸さなくなってしまうだろうと思い。だれが、どのように宗教と医療の橋渡しをするーか――何度も自問し、最終的に得た内なる声が「この自分がやるしかない」でした。
これが医師への道を志し、医学部への入学を決めた理由です。
・・・・簡単に言いうけれど、50になってから・・・・・くまと同じ歳・・・・
今日はこれからお葬式、明日もお葬式・・・・・人生とか命とかについて、考える日になりそうです
対本宗訓さん(つしもと そうくん)
1954年、愛媛県生まれ。79年、京都大学文学部哲学科卒業。京都嵯峨天龍寺僧堂にて修行、平田精耕師に師事。93年、臨済宗佛通寺派管長に就任。国内およびヨーロッパにて坐禅指導や講演などをおこなう。2000年4月、帝京大学医学部医学科に入学。同年11月、佛通寺派管長を辞任。06年3月、帝京大学医学部医学科卒業。第100回医師国家試験に合格し、医師免許を取得。現在“僧医”として研鑽中。著書に『坐禅<いま・ここ・自分>を生きる』『禅僧が医師をめざす理由』『僧医として生きる』(すべて春秋社)