下記日本経済新聞記事によると、決算短信と内容が重複する四半期報告書を廃止し、第1四半期と第3四半期の決算開示は短信に集約し、4〜6月期の決算短信からは四半期報告書のみで開示されていたセグメント情報とCF関連の情報の記載を義務づける。
レビューが義務だった四半期報告書と違い、短信は原則として任意で、顧客でレビューを付けるのは全体の1〜2割とされている。
監査法人は四半期レビューの作業に並行し、年度の監査手続きの一部を進めていたため、開示の見直しで企業とのコミュニケーションが減り、監査業務が期末に偏ると期末の監査報告書が遅れるリスクがあると懸念している。
監査法人の四半期レビューなくし監査報酬数%減らすことで、四半期短信の誤りリスク、期末の監査負担増加で発見リスクが高まる可能性考えると、投資家にとりよい改正かどうかは今後の制度改正の状況を見守る必要ありますね。
(記事主要部分)
金融商品取引法で上場企業に開示を義務付けていた四半期報告書が廃止され、証券取引所のルールに基づく決算短信に一本化される。事務作業の合理化へ、損益や資産構成など決算短信と内容が重複する四半期報告書を廃止し、第1四半期と第3四半期の決算開示は短信に集約する。
4〜6月期の決算短信からはセグメント情報とCF関連の情報の記載を義務付ける。CF計算書か、減価償却費などの注記が必要になる。
業績の数値に誤りなどがないか、監査法人が確認するレビューの有無の明示も求められる。レビューが義務だった四半期報告書と違い、短信は原則として任意だ。会計不正などがあった企業にはレビューが必要になる。
レビューを付ける企業は現状では少数派にとどまる。
ある大手監査法人のパートナーは「顧客でレビューを付けるのは全体の1〜2割」との認識を示す。レビューを見送ったあるプライム企業は「監査報酬が高騰するなかでコストを抑制したかった」と語る。監査法人の作業量が減り、監査報酬も数%下がるという。
レビューを受けつつ、今まで通りの早さで短信を開示するのはハードルが高い。三菱商事はまずレビューなしの短信を従来のタイミングで開示し、数営業日後にレビュー付きの短信を改めて出す「2段階」の公表とする。
監査法人は四半期レビューを実施しない場合の監査実務への影響を懸念する。四半期レビューの作業に並行し、年度の監査手続きの一部を進めていたためだ。開示の見直しで企業とのコミュニケーションが減り、監査業務が期末に偏ると「(期末にまとめる)監査報告書が遅れるリスクがある」との指摘もある。