下記リンク通り、経営財務によると、金融庁が2019年1月に「会計監査についての情報提供の充実に関する懇談会」が取りまとめた報告書を公表したこと,および東京証券取引所が「会社情報適時開示ガイドブック」を改訂したことなどがきっかけで実質的な交代理由の開示が求められるようになり,単に「任期満了」のみ記載するケースはほぼ無くなった。
交代理由を分析すると,特に,監査報酬に関して監査人・企業双方が折り合わない事例が目立った。
2019年の監査人の交代件数は142件だった。前年より約25%増え,4年連続で増加した。監査法人の合併などの理由を含めると146件。
前年の交代件数は実質114件だったため,28件(約25%)の増加に。これで4年連続の増加となった。
業種別では,情報・通信業24件が最多で,次いでサービス業,小売業だった
上場市場別では,東証一部における交代が最多の53件で,JASDAQ46件が続いた
監査法人を大手・準大手・中小に分類すると,最も多かったのは「中小→中小」とする交代で33件。次いで「大手→中小」30件が二番目に多く,「大手→大手」と「大手→準大手」がそれぞれ25件と続いた
任期の途中で監査人と監査契約を継続しないなどを理由に,一時会計監査人を選任した事例は7件
最も多い経緯は「任期満了」の135件で約95%を占める結果に。しかし,任期満了としながらも「監査人からの申出」があったことを併記しているケースが29件あった。
開示資料に記載されていた継続監査期間を集計すると,具体的な数値を出している事例では「11~15年」におけるものが最も多かった
交代理由・経緯に対する監査報告書等の記載事項に係る退任する公認会計士等の意見が記載されている事例は10件あった。